数には頼れなくなったコロナ禍
先日、本社ビルの売却および9月の本社移転を発表した田谷。その田谷は、2021年度を対象とする事業構造改革プラン「T9」を策定した。1年以内に33店舗を閉鎖するなど、収益体質の強化に向けて大なたを振るうという。
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『田谷、3割弱を閉店へ 収益強化の構造改革プラン「T9」策定』
生き残り、勝ち抜くための基盤づくり
業構造改革プラン『T9』の基本方針は「収益体質の強化を図り、利益に着目した成長戦略へ転換する」。経営環境が大きく変化する中で生き残り、勝ち抜くための経営基盤づくりを迅速に進める。
具体的には、
①店舗運営の再構築
②優良顧客の囲い込み
③ブランディング力の強化
④生産性の追求
⑤営業・技術力の強化
⑥商品販売の拡大
⑦固定費の削減
⑧経営迅速化に向けた組織再編
⑨ESGの推進
の9項目を、2021年度(2021年4月~2022年3月)に実施する。
①店舗運営の再構築
・各店舗の地域特性や収益性を精査し、経営効率悪化サロンの処理敢行
・既存店舗の経営資源の再活性化による収益力向上
・Shampooサロンの再構築
田谷の美容室店舗数は、2021年3月末時点で117店舗。このうち3割弱にあたる33店舗を1年以内に閉店する。
特に、早い・安い・安心のファミリーサロン「Shampoo」(20店舗)の再構築を図る。
○店舗閉鎖(期間中:33店舗)
○店舗改装・ブランド転換(期間中: 2店舗)
(中略)
田谷は、オーバーストアによる競争激化、美容師の獲得難、人口減少、コロナ禍における来店周期の伸びや消費マインドの冷え込みにより、美容室経営の環境は厳しさを増していると分析。
事業構造改革プラン「T9」を遂行することで、収益体質を強化し再成長へ向けた基盤を構築する。
なお、今年度の売上や利益(2022年3月期業績予想)については、新型コロナの収束時期や消費動向をかんがみると現段階での予想が困難なため未定とした。第1四半期決算発表の際に公表する。
以上引用。
4月29日のエントリー「変わらざるを得ない」で、田谷の本社ビルの売却について取り上げておりました。
そのエントリーの締めくくりとして、『昨年は、美容室に限らずですが、人と接触する場所で働く人のメンタルを危惧しておりましたが、今年は、その働く場所をコロナに奪われようとしています。』と書いていたものの、早速、33店舗の閉鎖が決まったようです。
どの店舗が閉鎖するかは分かりませんが、早い・安い・安心のファミリーサロン「Shampoo」という店舗が対象のようです。
このサロンは、所謂低料金のお店というやつですね。
2008年前後にヘアカラー専門店が登場して以来、それまでにもあった技術の安売りですが、美容業界ではそれが一気に広まった感があります。
特徴としては、個人経営美容室が安売りを行うのではなく、大型チェーン店が安売りを行い、低料金のお店をどんどん作っていきました。
美容室の多くを占めるのは、未だに個人経営ですから、チェーン店のような業態は、美容室全体で考えると、ごく一部のものといえます。
コロナ以前から個人経営のお店も厳しい状況にありましたが、低料金のお店のライバルは低料金のお店なわけで、かなり過当競争が激化していました。
そんな中、コロナが襲ってきたわけです。
美容メーカー大手は、コロナ禍でも堅調な売上のようですが、美容室チェーン大手は、コロナ禍の影響を大きく受けているようです。
安売りというのは、単純に“数”で支えられて成り立つものです。
コロナ禍で感染防止のために人と人との接触を減らすことが「ニューノーマル」となり消費が大きく消失しました。
数で稼ぐ安売り店など、この状況は地獄でしかありません。
いつ収束するかも分からないコロナですから、早め早めに業態を転換していかないと生き残れないのは明らかです。
しかも、忘れてならないのは、そう遠くない未来に日本は人口減少が今と比べられないほどに顕在化してくるでしょうから、いつかは安売りが通用しなくなるのです。
つまり、今回の紹介記事にあるような改革は、大型低料金チェーン店では、いつかは迫られるものだったと捉えるしかありません。
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