営業は先回り


サービス業につきものなのが、クレームです。
クレーム処理は、起きてからでは遅いわけで。
出来れば、クレームが起こる前に処理したいものです。


クレームが起こりえる業種は様々だと思います。
私の営業先である美容室は、モロにクレームが出る業種でございます。
もちろん、私の営業職なんてのは、クレームの宝庫みたいなもんです。

クレームは、ある程度ですが予測はできます。
特に、美容室は専門職ですから、毛髪や薬剤に関する知識を必要とします。
ですから、その知識の豊富さというか、理論的なことの理解がものを言います。

営業も同じだと思います。自社が扱っている商品について、特徴や性質を理解し、
そこを理解したうえで、商品の提供や使い方の提案をしなければならないわけです。

ただ、営業に関しては、私が教わってきてのが、クレーム処理ではなく、
いかに、相手の”先回り”ができるかということを教わってきました。

先回りができるには、まず”気配り”そのまえに、”気づき”があるか否かなんです。

この為には、何をしなければならないのか?
これは、いかに相手の話を”聴く”かそして、相手の行動を”観る”かです。

聞くではなく”聴く”
見るではなく”観る”

ちょっと話がそれますが、見ると観るで印象に残っている本があります。

会社のために働くな




あの本田宗一郎大先生の本であります。

その中で、工場見学の話が書いてありました。
本田の工場には、見学させてくれとお願いがあり多方面から人が来ていたそうです。
それは、国内外問わずだそうです。

時代背景もあると思いますが、国内からつまり日本人ですね。
この場合、見学に来ているだけだそうです。だから、終わった後に、何もないそうなんです。
知りたいことと言えば、工場の人数と組織と機械数ぐらいだそうです。

ところが、国外つまり外国人(当時のソ連)が見学に来た時なんかは、
オートバイ屋に工作機械部門があるのはおかしいと言ってきたらしく、
それは、工作機械メーカーに任せれば、いいのでは?もっと安い機械で済むだろうに?

ところが、実際に工作機械を見せると、本田の工作機械が手が込んでいて、
他のメーカーではつくれないだろうとなったそうです。

つまりは、観た後には、必ず、「どうして」や「なぜ」があるというわけですね。
これが、気づきというものです。

気づきを得るには、同じ行為をしていても全く中身が違うということです。
営業は先回りが大事であると教わっても、いくら形だけをまねしてとしても、
中身が伴っていないから、全く気づきが得られずに先回りできないことになる。

ましてや、クレームばかりもらってしまうという状況になるということです。

そして、本田宗一郎大先生は、著書で以下の事も言ってあります。

「クレームゼロが完全無欠ではない」

そうですよね。ほんとに。
実は、クレームって言ってくれるだけマシな場合があります。
そうなんです、わざわざ、クレームを言う人はそういないんです。
言わない人ほど気を付けなければなりません。
なので、相手の話は、よくよく聴いて観なければなりません。

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