美容室から必要とされる営業マンとは
私は、美容メーカーの営業マンですので、うちの商品を美容室に卸しているわけです。商品というのが、所謂美容室専売品というやつで、美容技術に関連する、例えば、パーマ液、カラー剤を取り扱っています。商品そのもののクレーム、疑問、質問などに使ってもらうと対応しなければならなくなります。
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美容材料の数は、それこそ星の数ほど存在していて、実のところ、どこも似たり寄ったりだと思います。
もちろん、各美容メーカーは、今もこの瞬間でも、更に良いモノをつくることに全力を注いでいることは言うまでもありませんし、各美容メーカーの営業マン(私も含めて)は、自社の商品に惚れ込み、そして最高のモノだと信じて販売していると思います。
それでも敢えて繰り返して言うと、モノ自体はそれほど大差はないのだろうと思っています。
美容室にしても取り扱う材料に関しては、最高のモノを扱いたいし、拘りを持ちたいわけですから、材料を徹底的に吟味して使っていくわけです。
とはいえ、多少扱ってみてその商品の良し悪しが分ることはほぼないので、商品のネームバリュー、価格帯、そして、それを勧める営業マンの情熱によって扱うものを決めているのが実際のところだろうと思います。
敢えて言えば、商品に対する慣れと好みの問題でしょうか。
初めて入った美容室で扱っていた材料を独立してからもそのまま扱う方が殆どでしょうし、独立しても取引先のディーラーが変わるわけではないので、営業マンが勧めてくるものを何となく使っているのではないでしょうか。
美容師からすると、カラー剤、パーマ液は、技術の出来を大きく左右するものですから、自分がコントロールしやすいものを使います。
ただ、材料というものは万能ではないので、その人その人に合わせて使い方を工夫する必要があります。
カラー剤、パーマ液は、基本的には毛髪に何らかのダメージを与えてしまうので、そこをいかにコントロールするかが技術者の腕の見せ所。
そこに対して、美容メーカーが出来ることがあるとすれば、限りなくダメージの少ない、コントロールのしやすい商品をつくっていくことなのではないかと思うのです。
とはいえ、現実問題として、いくら優れた商品であったとしても、出来ることと出来ないことがあります。
一方で、美容師側も出来る出来ないはそっちのけで、何とかお客の要望に応えるために現場で取り組んでいたりします。
そんな時に美容室の現場から、営業マンに、商品、技術、使い方に関する問い合わせがきます。
美容師には美容師なりの理屈があり、営業マンには営業マンなりの理屈があって、出来る出来ないの線引きも含めてお互いのやり取りが続きます。
このような時に、私は、営業マンならばどのような対応をすればいいのかをいつも考えさせられるのです。
営業サイドとしては、出来ない事を理論的に説明して「ハイ終わり」で済ませることも出来ますが、美容師サイドからすると「そうですか分かりました」とはなりません。
というか、「そうですか分かりました」と言われた場合、想定しなければならないのは、その発言の裏側には、「なら別のモノをあなた以外の方から聞くか探してみます」が含まれていることを忘れてはなりません。
ここの部分に関していうと、美容ディーラーはアドバンテージがあるというか、扱っている材料が様々ですから、ひとつのメーカーに拘る必要もないわけです。
ですが、私の場合は美容メーカーですから、他を紹介することはイコールうちの取引額の減少を意味しています。
かといって、出来ないことを出来るようなことも言えませんし、何ともこの部分というのは頭がイタイ問題です。
私の場合はというと、出来ること出来ないことに関わらず、全ての要望をとにかく聴くようにしています。
そこで、出来ないことは出来ないと認めつつ、その中でも応援できるようなこと、役に立てそうなことを探していきます。
簡単に食い下がらない、ということです。
結果として、そんなやり取りが他の美容室とのやり取りにも反映され、自社の商品の弱点を知る切っ掛けにもなり、出来ないことがあるのは悔しいのですが、一人の営業マンとしては、相手から重宝される存在となっていくのではないかと手前味噌ではありますが、そのように思います。
ただ売るだけの営業マンが今後は生き残れないので、美容室との技術、材料を含めたやり取りを嫌がらずに出来る営業マンは、美容室から必要とされるのだろうと思います。
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