需要の飽和


需要の不足という言葉は聞いたことがあったのですが、需要の飽和
という言葉は今で聞いたことがなくて新鮮でした。需要に飽きがき
ている状態って何なんでしょうか?


「需要の飽和」という言葉を知ったのは下記の書籍です。

吉田洋さん「人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長」

人口と日本経済 長寿、イノベーション、経済成長 (中公新書)




昨年初め頃に読んだ本で、文字が小さくページ数も多くて、読むの
に一苦労でした。

苦労した甲斐もあり、「需要の飽和」という言葉を知り学ぶことが
できました。

紹介されていた事例は、紙オムツの話でした。

何でも、2013年大人用紙オムツが子供用紙オムツの売り上げを抜い
というのです。これって何気に凄くないですか!?

今ではテレビコマーシャルで大人用紙オムツは当たり前です。

オムツといえば赤ちゃんのものです、普通は。

それを高齢者に販売したわけです。オムツを赤ちゃんだけのものと
してとらえなかった人がいたというわけです。

この人、よく気づいたものです、素晴らしいの一言です。

大人用紙オムツについて、この本で紹介された事以外にも色々と調
べてみました。

そうすると、社内で大人用オムツの企画を出したら、最初は、却下
されたそうです。

それからも、何度となく食いついていったら、社内でも、やってみ
ようということになり、やってみたら大ヒット。

皆が支持される企画は、“ヒットしない”みたいなこと聞いたこと
ありますが、ホントなんですね。

日本は、少子高齢化社会ですから子供用オムツの需要は、今後ジリ
貧で落ちていくだけです。

そこで“少子”ではなく“高齢”に目を付けた。当然、子供の出生
数は、頭打ちだらから「需要の飽和」が起こるわけです。

吉田洋さん「人口と日本経済」でも詳しく説明されていますが、こ
の場合、技術的に革新があったのではなく、需要面での革新的なイ
ノベーションが起こった
わけです。


こういう話を知ると、美容室に当てはめて考えてしまいます。

今まさに美容室も需要の飽和状態なんだと思います。

美容室の技術メニューを大きく分けると、3つしかないわけです。

カット、カラー、パーマこれだけです。

付け加えると、それぞれに松竹梅があるような感じですかね。

例えば、良いカラー、普通のカラー、激安カラーって感じです。

それから、カット以外は、自宅でもドンドンできるようになってい
ますし、最近の若い子は自分でやっちゃいます。

こういう状況になってくると、美容室側としては、徹底的にお客目
線に立って、お客が、髪について何に悩んでいて、どんな事をした
いのかを、考えるしかない
でしょう。

当然、高齢化が進むわけですから、高齢者向けのサービスを考えな
ければなりません。

人間歳を取れば、髪の毛が細くなり、ボリュームもなくなり、そし
て艶もなくなる


これらの事を一つ一つ丁寧に説明して、お店で解決できるようにも
っていくしかありません。

更に、これからそうなるであろう人には「美髪予防」ということで
どんどん提案していく


これを飽きずに徹底してやるしかないのです。

ヘアカラーは、最近グレーカラーを流行らせたいようですが、それ
ならそれで、染めない選択をしたならば、それに代わる提案をお客
にしなければなりません。

染めないのですか、そうですか、で終わらせてはいけないのです。

以上のような内容を昨年、美容室の店内勉強会で散々やりました。

もちろん今も言い続けています。

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