営業において魔法の一言は存在するのか?
営業マンは、モノを売る前に、「まず自分を売れ」なんていわれます。とはいえ現実には、営業マンはモノやサービスを売っています。そして、そのためには「言葉」を扱います。言葉を扱いモノやサービスを売っているのが営業マンです。言葉の扱い方に人間性が現れれ、それを問われるのが営業マンであるともいえます。
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当ブログで度々登場するメラビアンの法則。
メラビアンの法則とは
『メッセージが送り手から受け手に伝達されるとき、言葉(言語)によって伝わるのは7%。残りは、声のトーンや口調、ボディランゲージによって伝わる』
これの意味するところを「非言語の表現に人間性が現れてしまうから人間性を磨く重要性がある」とあの髙田明さんが、ご自身の書籍で説かれているのが私には最も印象的でした。
髙田明「伝えることから始めよう」
この本を読んでからというもの「非言語の表現にこそ人間性が現れる」という言い回しを私もずっと使わせてもらっています。
雰囲気、態度、表情、目つき、顔つき、聞き方、リアクション、佇まい等々。挙げたら切りがありませんが、これらすべてにその人間の人間性が現れるということです。
言葉そのものではなく話の内容でもなく、言葉使い、口のきき方、間の取り方、話すスピード、強弱、声量によって同じ言葉を発したとしても相手に与える印象、そして伝わり方は違ってきます。
営業マンの言葉というか話す内容だとかが、その営業マンとどれだけ釣りあいがとれているかだと思うのです。
『セールストークで使いがちだが…「反感を買ってしまう」一言』
自らの営業技術に自信がない人がやってしまいがちなのが、商品の良さを必死に伝えようと、その説明に時間を割くことです。特に営業にまだ慣れていない新人の頃などは、お客さまとの会話が続かなくなるのを恐れる気持ちもあり、沈黙を生まぬよう矢継ぎ早に商品説明をしてしまうもの。実は私も、同じような経験があります。
大手菓子メーカーのルート営業マンだった時代、私はとある大手スーパーのバイヤーに対し、とにかく必死に商品の解説をして、なんとか採用してもらおうとしました。私の説明の途中、そのバイヤーはすっと手を顔の前に挙げて話を遮りました。
「あなたの話は、パンフレットを見れば分かることでしょう。そこに載っていないメリットや魅力を伝えられないなら、パンフレットを置いて帰ってください」(後略)
以上引用。
同じ内容であっても、この人からは聞きたい、この人からは聞きたくないってありませんか?
記事の内容は結局そういうことなんだと思います。
まあ、読者を惹きつける必要があるので、「セールストークで○○の一言」という表現を使わざるを得ないのはよく分かります。
ですが、多少なりとも営業経験があれば、そんなものが存在しないというのはすぐに分かります。もし分からなければ、それは営業の営業モドキを経験しただけということです。
お客からのヒアリングを重視するとも書かれてありましたが、どこの誰だか分からない人間に何か話そうとしますか?
ヒアリングする以前の問題として、お客が話をしたくなるような何かをこちらが持っていなければヒアリングどころの騒ぎではありません。
とにかく相手が話したくなるような聞きたくなるような営業マンになっていくしかありません。
それがメラビアンの法則で更に明らかになったということでしょうから。
とはいえ私もお客に「何か困ったことがあればいつでも言って下さい」と上辺だけでよく言っていたものです(恥ずかしい)。
営業で何とか相手に売っていこうとしなければ、この発言のバカさ加減には気づかないでしょう。
営業の技術が高いから売れるのではなくて、売ろうとするから高くなるだけです。そもそも口が上手いだけの人からモノを買おうと思いますか?
何とかして売ろうとするから口も勝手に上手くなっていくのではないでしょうかね。
何か営業の中で魔法の一言があるように思っている営業マンがいるのならば、早いうちにそんなものはないと気づけるように営業を必死でやった方が身のためです。
髙田明「髙田明と読む世阿弥」
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