訪問型営業かリモート営業かという問いに隠されていること


営業の取り巻く環境の変化がどれだけ起ころうとも、人が人に対して営業をかけていくことを考えれば、どれだけツールが進歩・進化しても必ず押さえておかなければならないのは、消費者の心理と市場の動きを的確に捉えること以上に「いかに人を動かすか」だと思うのです。

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そして、わざわざ人がやる必要のある仕事とは、「相手の心を汲み取ること」が求められているかどうかが重要だと思うのです。

いかに人を動かすか」と「相手の心を汲み取ること」が出来るかどうかが営業でこれから生き残れるかどうかの分かれ道となるのだと私は思います


例えば、美容メーカー、ディーラーの営業マン。

ネットで美容材料が選び放題であり、しかも安いとなれば利用しない理由がないこの状況において、ただ売るだけの営業マンは必要ではなくなり、ただある反面、美容室の要望・希望・悩みを上手く引き出せる(汲み取れる)営業マンは、今まで以上に価値が上がることでしょう。


さて、コロナ禍で営業スタイルという”形の部分”で、訪問型営業、リモート営業という変化がありました。

その営業の形の部分で、営業をやる側と受ける側の認識はどのように捉えているのでしょうか?


この1年で好感度急上昇「リモート営業」の本質

(前略)では顧客の意識は、具体的にどう変化したのか。今回の調査では、顧客にとっての「好ましい営業スタイル」についての質問で、顧客側に対し「2019年12月時点での意識」と「2020年12月時点での意識」を聞いた。19年12月時点での気持ちとして「訪問型営業が好ましい」と回答した人は53.7%、「リモート営業が好ましい」と回答した人は21.0%だったが、2020年12月時点では、「訪問型営業が好ましい」は35.0%へと大きく低下。それに対して「リモート営業が好ましい」は38.5%に伸びた。訪問型営業よりも、リモート営業のほうが好まれる時代になったようだ。

(中略)

興味深いのは、こうした顧客の意識の変化と、営業する側の意識の変化が必ずしも一致していないことだ。上記と同じ質問を営業担当者にしたところ、「訪問型営業が好ましい」と答えた人が48.0%と、「リモート営業が好ましい」の21.8%と比べ圧倒的に多かった。

(中略)

営業の結果を左右するのは、顧客の課題を理解し、それを解決する提案や情報を適切なタイミングで提供できるかどうか。この本質はリモート営業でも訪問型営業でも同じで、どちらが優れているのかという話に矮小化してはいけません。それぞれのよさを組み合わせて、本質的なアプローチ方法を考えるべきです」と伊佐氏は語る。(後略)


以上引用。


訪問型営業かリモート営業か?

記事のデータを見るにつけ、営業マンバイアスとでもいうのでしょうか、営業マンは見事に思い込みの罠にはまっているようです(私も他人事ではないですが)。

つまり、直接伺って顔を見合わせていないからきっと顧客は不満を抱えているのではないかと。


営業において何を持って誠意を感じるかは、実際には営業マンには分かりようがありません。何故なら、誠意を感じるのはあくまでも顧客側だからです(顧客の頭の中を想像し心を汲み取ることは可能であると思いますが)。

敢えて言わせてもらうと、誠意を相手が感じたからといって営業の成果が上がるとも限らない。

記事にもあるように、営業の結果を左右するのは、顧客の課題を理解し、それを解決する提案や情報を適切なタイミングで提供できるかどうかです。

だからというわけではありませんが、私も営業は、「いかに人を動かすか」と「相手の心を汲み取ること」だと前述させてもらいました。実際に営業という仕事をやってみて結果の成否の分かれ道だと痛感しているからです。


訪問営業かリモート営業かで私が思うのは、多くの営業マンが、従来通りの営業スタイルが単純にやり慣れているだけのように思います。つまり、習慣化されているのでラクなのです。

訪問営業かリモート営業かという問いは、むしろ上記のような問題提起が隠されているようにも思えます

どちらのスタイルでも成果を上げている人もいれば、どちらでも結果を出せない人も出てくるわけで、営業スタイルの選択肢が増えたことはむしろ営業マンの逃げ道が塞がれてようにも思えてなりません。

従来からの営業マンに求められていたものが明らかに変わってきていることが表面化しているのではないでしょうか。

そこに気づいている営業マンは、コロナ以前より行動を起こしているでしょうし、営業マン以上に会社として営業マンの役割の変化に気づいているかどうかは、更に重要であることはいうまでもありません





ニック・メータ「カスタマーサクセス―サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則」




三戸政和「営業はいらない」





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