容器も中身も脱プラスチック化へ!?


美容室で使用するシャンプー、トリートメント、パーマ液、カラー剤には、プラスチック樹脂やシリコンが含まれているものがあります。私が扱う美容材料には、それらのものを一切使用していないことを長年謳ってきました。もちろんそれはプラスチック樹脂やシリコンが何らかの形で人体への影響が無視できないからです。

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ただ、現段階としては、プラスチック樹脂やシリコンは、ごく微量での影響であり、複合的な作用も加わるので、直接的に因果関係を証明することは困難とされていて、いっそうの研究が必要のようです。

ここ数年、SDGsの流れを汲んで、世界的に、プラスチックごみ対策(波や紫外線で細かく砕かれて海中を漂うマイクロプラスチックの削減)が叫ばれており、洗顔料などに含まれる微粒子の使用抑制を企業は要請されています。


このような流れの中にあって、確かに私の取り扱う美容材料には、プラスチック樹脂やシリコンが含まれていないものの、実際には、容器にプラスチック樹脂を使用して販売しているという事実があります。

容器よりもプラスチック樹脂が含まれるパーマ液やカラー剤を「直接、頭皮や毛髪に塗布している方が遥かに危険だ」と叫んだところで、だからといって容器にはしっかりとプラスチックを使用しているわけで、そこを突かれると何も返す言葉がありません。


最近の美容メーカーの動向をみていると、容器回収からリサイクルに取り組むことをアピールするようになりました。

「ファンケル」が直営店6店舗で使用済容器回収 植木鉢にリサイクルし横浜市に寄贈

花王がヘアカラー売り場に設置の「毛束色見本」提供を終了 プラスチック使用量削減の一環

日本ロレアルや資生堂など4社がタッグ イオンで使用済容器の回収リサイクルを実施

ユニリーバ・ジャパンと花王が協働回収プログラムを開始 業界の垣根を超えて水平リサイクルを目指す

日本ロレアルが全事業部において空き容器回収を開始 テラサイクルと協業

資生堂がヘアサロン発のサステナブル活動を推進 ヘア製品・化粧品の空き容器を回収



更には、容器だけでなく、化粧品に含まれている微粒子にしても代替するものが開発されているようです。


「海洋生分解性」素材の開発進む プラごみ問題解決へ

海洋プラスチックごみの問題解決につなげようと、国内メーカーが「海洋生分解性」の素材を次々に開発している。従来のプラスチックの代わりに使うことができ、海に流れ出てしまっても微生物によって水と二酸化炭素に分解されるので、環境に悪影響を与えづらいという。

以前から、土壌や堆肥(たいひ)作りの設備に入れることで分解できるプラスチックはあったが、海水で分解するのは技術的に難しかった。コストの高さもあって製品化される例は少なかったが、近年は環境意識の高まりを受け、利用が進んでいるという。

世界的にもこの分野の先端をいくカネカ(東京)が開発した海洋生分解性プラスチック「Green Planet」は、水温30度の海水で6カ月以内に90%以上が分解される。原料は100%植物由来だ。2年前から大手コンビニのストローに、昨年11月からは化粧品の容器に採用された。今年5月には発泡加工に成功し、鮮魚用の箱としても使われている。

研究を始めたのは20~30年前で、「やっと日の目を見た」と担当者。現在の生産能力は年5千トンだが、世界的に需要が増えると見込み、今後工場を新設して2030年には10万~20万トンを目指す。

プラスチックをそれ以外の素材で置き換える動きも進む。ファンデーションなどの化粧品には肌触りを良くするために微小な「マイクロプラスチック」が含まれるが、ダイセル(大阪市)は昨年末、セルロース(食物繊維)などを原料とした代替素材を開発。海水中で約9カ月たつと90%が分解される。品質はプラスチックに劣らず、反響は大きいという。(後略)


以上引用。



容器回収からリサイクルに取り組みを見せているのは大手美容メーカーのようで、中小零細企業でそのような取り組みはどうなっているのでしょうか。

私の会社は中小零細の部類なのですが、美容材料の中身には人体への影響を考慮してプラスチック樹脂やシリコンを使用していませんが、もはやそこだけを取り組めばいい話ではなくなりつつあるようです。

容器にしても中身にしても人体から地球全体への影響を考えてモノづくりを考える時期だということなのでしょう。





落合陽一「2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望」





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