移動の制限を踏まえた上での店舗運営を考えてみた
「わざわざ行く価値のある店舗が生き残る」という言い回しをこのブログでは度々使っています。これは、望月智之さんの「2025年、人は「買い物」をしなくなる」の中で使われており、それを読んで以来、もう数えきれない程、顧客である美容室に対して使っております。
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この本は、コロナを踏まえてのものではなくて、あくまでも今後のテクノロジーの進歩を踏まえると、必ずそうなるとうい流れだったと思います。
ところが、昨年からのコロナ禍によって、テクノロジーの進歩の早送りではなく、既に存在していたテクノロジーが一気に浸透するようになりました。例えば、オンライン会議とか。
で、コロナによって移動を制限されたわけですから、「わざわざ行く価値のある店舗」を今まで以上に消費者が吟味するようになったというわけです。
ここで勘違いしてはいけないのが、元々から「わざわざ行く価値のある店舗が生き残る」わけであって、コロナだからというのは全く関係がない。
コロナによって移動が制限されたというのがポイント。まさか移動が制限されるなんて誰も考えもしなかったことですからね。
美容室を営業で回っていると、遠くから来店するお客の存在をアピールする美容室が意外に多いのです。隣町程度ではなく、下手をすると隣の市だったり、他県だったりもします。
これなんかまさしく移動の無制限のたまものでしょう。まあ、これのお化けみたいなのがインバウンドなんでしょう。
ところが、コロナが襲ってきて、これが仇となった美容室が恐らくかなり存在するかと思います。
格好良くいえば、グローバルからローカルという流れです。
全国でも物凄く有名店舗である美容室なら、まだ全国を意識するのは当然かと思いますが、大多数の美容室は地域密着を意識すべきで、つまりはご近所づきあいを大切にしなければならないとということ。
長崎市であれいば、本州のお客をどれだけ意識しても無駄だということです。
例えば、九州でも福岡の博多といえば全国的にも名は通っているでしょうが、そこに店舗を構えていることと全国で認知されている美容室かどうかはまた別問題。
まずは、美容室として結果を出すのが先決で、そこから博多とうい地の利は生きてくるのではないだろうかと。
ところが、博多で店舗を構えていたりすると、コロナ以前であれば本州からのお客が少なからずあったというわけです。
コロナ以来、「他の美容室はどうですか?」と美容室から聞かれますが、答えとしてはマチマチとしか言いようがない。
ただ、今回のように自らのお店がどのようなお客に支えられているかを見直したほうがいいのは明らかだと思います。
遠くから来店するお客と近所のお客を同じお客としてカウントしてはならない。差別ではなく、区別して考える必要があるということです。
コロナ以来、インスタを始めた美容室は相当にいるでしょう。インスタに限らず、他のSNSでも更新が滞っていたものを慌てて、更新するところも増えたことでしょう。
ですが、SNSを活用して情報発信といったところで、遠くの誰かと繋がったところで仕方がない。もっといえば、全国、全世界に発信したところで一体どうするの?って感じですよね。
自分のお店の立ち位置を客観的に捉えて、低くも高くも見誤らず、どのような、どこにいる、お客に来店してもらいたいかを改めて考えることが必要なのかなと思います。
移動が制限されたコロナ禍では、ローカル、つまり「近所」の重要性が高まりました。
いつ収束するかも分からないものを待っていたのでは、遠くから来店していたお客の存在に可能性をいつまでも持つ事になりかねません。
大変つらいところですが、ここは頭を切り替えて、近所に住んでいる見込み客を獲得するように動いた方がはるかに建設的なのかと思います。
しかしながら、実際のところ、このような取り組みをしている美容室はかなり少ないように思います。
コロナで移動が制限されている以上は、「わざわざ行く価値のある店舗」にするための取り組みとして、情報発信を誤った方向に打っていたのでは意味がないということです。
近所に住んでいるお客を取り込むことが、そして、それはどうやって取り込むのか?
そこを考え実践したところが、「わざわざ行く価値のある店舗」になるのかなと思う次第です。
そして、美容室は、あくまでも技術を売っているわけで、来店してもらわなければお話にならないわけです。
望月智之「買い物ゼロ秒時代の未来地図―2025年、人は「買い物」をしなくなる〈生活者編〉」
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