技術者
美容室のオーナーは、美容師さんであり、技術者であり、営業マン
であり、経営者でもある。一人で何役もこなしている。
この技術者という側面にスポットを当ててみようと思います。
手に職をつけるという言葉がピッタリなのが、美容師さんだと思い
ます。技術一本で食っていく。ハサミさえあれば、どこでもやって
いけるなんて言う人もいますもんね(現実そう甘くないけどね)。
一人前の技術者になるには、ある程度の時間がかかります。そして、
費用もかかります。今は、全国に20万軒以上の美容室があり、美容
師さんの数も50万人近くいるのではないでしょうか?
もちろん、実際に店舗で働いているかどうかは別で、免許を持って
いるということです。
これだけの数があれば、差別化が出来にくくなってきます。当然で
す。どこで差別化を行うか?
技術者であるので、技術自体で差をつけたいところです。実際は、
残念ながら技術の差というのは、殆どなくなってきている。
確かに、上手いと下手は存在します。ところが、ある反面美容室と
いうのは、技術を競うような商売だとも言い切れません。技術が全
てではないという意味です。美容師さんが、日々技術の研鑽を行っ
ていることは、承知の上です。技術はあくまでも一部です。
美容室の経営を行う上で、技術はあくまで一部です。全部ではあり
ません。ですが、その技術が商品であるわけで、技術優劣が売り上
げを左右します。
そこで、差別化の為に出てきたのが、所謂“安売り”です。
自分の技術を安くしてしまったわけです。
美容室の技術は人がやるので、機械とは違い沢山生産ができない。
となると、生産性が高くないので、本来ならば価格は上げなければ
ならない。ところが、実際は、価格を下げてしまったわけですね。
これはもう自分達というか業界全体の首を絞めることと同じだと思
えるのです。
ところが、個人店舗においては、安売りは行っていません。
(もちろんやっているところもあります)
低料金大型チェーン店、ヘアカラー専門店、カット専門店が、安さ
で勝負をしてしまっています。
別に、そこそこのヤリ方があるので、否定も肯定もしませんが、私
が思うのは、そこで働く美容師さんのことです。
せっかく、時間とお金をかけて得た技術なのにと・・・
ほんと、他人それぞれなんですよ。でも、なんか納得できない。
オーナーのみが、所得を得ている感じが好きになれない。
ただ、そういったチェーン店も人手不足で悩んでいるのも事実。
そりゃそうだろって感じです。給料が出せないんだから。
低賃金で働くのを好んで行く人なんていません。
今年に入って、QBハウス(1000円カット専門店)が1200円に値上げ
したニュースがありました。
人手不足が理由とか言ってましたが、そりゃそうだろって!
1000円カットで、1日10人切って、10000円。30日で、30万円。
毎日毎日、必ず一人の美容師さん当たり10人の客が来たとしてです。
そんなことあり得ないだろって思います。
でも現実は、そこで働かざるをえない人もいるのもまた事実です。
これだけの数の美容室と美容師がいるので、差別化が出来にくのは
わかりますが、私は安さよりも、お客のニーズに応えるべく付加価
値を付けて取り組んでいきたいと思っています。
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