因果関係と相関関係
如何に新規客を再来店させるかは、美容室だけではないでしょうが、
あらゆる店舗で最重要課題です。再来店を重ねてもらううちに固定
客となり既存客となっていく。そして、ふっ~と気を抜いた瞬間、
失客をしてしまう。
どうして、“あのお客は失客したのだろうか?”これが分かれば誰
も苦労しませんよね。正直、誰も分かろうはずがありません。本人
のみぞ知るです。
ただ長年、美容室と付き合っていくと、なんとなく分かってくるこ
とがあります。あくまでも傾向の話ですが、つまり失客の傾向です。
以前も書きましたが、新規客の失客の原因は、ズバリ“親しくない”です。
固定客の場合ですが、その傾向とは、来店周期がだんだん長くなっ
ていくということです。一ヶ月だった人が、一ヶ月半になって、二
ヶ月になって・・・という感じで、長くなって失客するというパタ
ーンです。もちろん例外もあります。
そういえば、傾向と書きましたが、この傾向とか統計というのは、
捉え方が大事だと思うのです。
それは何を言いたいかというと、相関関係と因果関係は異なるとい
うことです。
因果関係とは、例えるなら「AだからB」という「原因(A)」と
「結果(B)」の関係のことです。もっと簡単に言えば、「こうなっ
たらこうなる」です。つまりは、根拠があることです。しかしなが
ら、これを掴めていない人は意外に多いのです。
相関関係とは、あくまでも傾向の話に過ぎません。ですから、根拠
はありません。例えば、美容室では、ネットが発達する以前は、
DMをお客に送っていました(もちろん今でもやってるでしょうが
ね)。
どこぞやの誰かが、美容室向けの経営セミナーの中で新規で来店し
たお客には、DMを出すと再来店してくれると言い出したわけです。
これってあくまでも、傾向の話なわけです。あくまでも、やらない
よりも、ましかなぁ~ってレベルです。
再来店させる為の魔法の法則なんてのは、実はないわけです。ここ
に、気づかない人、というより気づきたくない人と言ってしまった
方がいいかもしれませんね。こういう人は、このような傾向の話が
大好きなんです。
だから、失客や再来店について、真正面から取り組むことをしませ
ん。失客・再来店させる魔法は、ないので来店したお客を如何に満
足させるか、喜ばせるかしかありません。
でも、こういう話をしても、殆どの美容師さんは、「そんなのわか
っているよ」とか「そんなことは、もうやってるよ」ってな感じで
す。全く、考えようとはしません。
失客につては、因果関係は、まだまだハッキリしないわけだから、
お店単位で、相関関係を見ていくしかないでしょう。
今月お勧めの一冊です。西野亮廣さんの「新世界」です。
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