今後も続くであろう美容室の安売り路線で思うこと


2000年代に入って美容業界でも技術の安売り、低料金の店が増えました。お店側は、技術料金が安くなるので、一人当たりの技術者の売り上げは相対的に下がることになります。当然ながら、スタッフの給料が増えることはありません。美容業界全体で、流行する技術の安売り。一ヶ所が安売りで儲けることができても、それはミクロの話でしかありません。

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全体として、つまり、マクロでみると現状の美容業界は、美容室の軒数の増加に反比例して全体の売上は減少傾向にあります。総売上の減少は、2008年頃からであり、そのタイミングは、日本人の人口が減少に転じた時期とも重なります。

安売りをする美容室が増えれば増えるほどに、美容室に落とされるお金が減っていく。となると、美容業界に携わる人間に入る所得は減るわけですから、まさに悪循環。

ただここで誤解してほしくないのは、技術の安売りの是非とか中傷しているわけではありません。消費者からすれば、同じ技術ですから品質が差ほど変わらなければ、価格が安い方へ流れていくのはごく自然なことです。

つまり、節約とは個人の行動にとっては非常に合理的です。ただ、個人レベルでその合理的な行動が全体で合成されると災厄をもたらします。何故なら、使うお金を減らすわけなので循環するお金の量も減っていくので、一人当たりの取り分も当然減ります。

そもそも国民経済は繋がっています。一人一人(ミクロ)にとっては合理的な「節約」が、全体(マクロ)で合成されると「全体の所得縮小」をもたらします。


チョキペタ 来客数、売上、客単価が最高を記録

アルテ サロン ホールディングスは、“メンテナンス”専門美容室「チョキペタ」の2021年度の年間売上が17億6000万円(関東・関西店舗合計)を超え、売上、来客数、客単価ともに過去最高となった、と2022年3月14日発表した。

コロナでは休業する場面もあったが、コロナ2年目の昨年、復活した。コロナ禍で「カット専門店」や「カットと白髪染め」のメンテナンスサロンが注目されているようだ。

チョキペタは2011年7月に第一号店がオープン、首都圏と一部関西に出店し、現在65店舗(2022年2月末日時点)を展開。利用客は40代のオトナ女性が8割を占め、リーズナブルな料金設定で、利用者の96%が「仕上がりに満足」している、という。

消費支出の低迷が続く日本で、メンテナンス型サービスの理美容店のニーズはまだまだ伸びそうだ。


以上引用。


というわけで、『チョキペタ』の技術料金。

カット&ドライ 1,300円(税込)
全体カラー   2,900円(税込)


今では、何も目新しさなど感じませんが、とはいえ明らかに安すぎます。前半にも書いたように、低料金のお店が好調ということは、それだけ美容業界に回るお金も少なくなるということです。

お金は人間でいうところの血液とはよく言ったもので、循環しなければ、身体が不調をきたします。経済でお金が回らないということは、人間の身体の血液循環が悪いに等しく人間ならば血行不全であらゆる病気を引き起こします。

現在の日本では、デフレ(コストプッシュ型インフレではありますが)とコロナ禍、そして間接的な有事によって、物価だけが高騰し所得は増えていなので、お金の回りも悪く経済が淀んでいるとも言えます。

美容業界は、ミクロでは合理的な行為(技術の安売り)が、合成されるとマクロで災厄(美容業界の売り上げ減少)をもたらしているわけです。

しかしながら、このような経済状況を打破できるのは、もはや個人レベルではどうしようもありません。かといって他力本願では生き残れないのも事実なので個人(お店単体)としては、何ができるかを模索しつつ足掻くしかないようです。





中野剛志
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