顧客の声をきちっと吟味する


私の会社では、コロナ前(こんな表現はしたくはないのですが)、美容室向けの有料講習会を開催していました。今では何かと面倒くさい?一ヵ所(三密)に人を集めてというやつです。そこで私なりに、いつも面白いなぁと感じていた現象がありました。それは、開催場所から離れた人ほどちゃんと参加して遅刻もしない、ということでした。

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逆に、近ければ近いほど参加したりしなかったり、そして遅刻をしたり。あくまでも私が感じる傾向の話しに過ぎませんので、あしからず。

講習会ですから勉強するために参加しているわけですが、同時に多くの人は、勉強することよりも参加している自分が気に入っている節があります。

それと、参加するプロセスというかなんというか、ある種道程を楽しんでいる部分もあると思います(つまり移動)。

一言でいってしまえば、講習に参加することと参加するまでの移動も含めてエンタメとなっている感じですね。なので、開催場所から遠くの人ほどそこにエンタメ性が出る。そして県を跨ぐとなると旅行気分も味わえるわけです。

講習に参加することの様々な動機づけが出来るのでちゃんと参加するし遅刻もしない。で、肝心の勉強はというと、移動にお金と時間がかかっているのでその分をしっかり講習会で回収する必要があるので受講態度もいいわけです。

つまり、講習会に参加することは単純に勉強すること以外でも様々な要素が重なっているのではないかと思います。

講習の内容というか中身が最も大切なのはいうまでもありませんが、講習を受けるまでの移動やら何やらも講習参加には必要な条件なのでしょう。

だから、移動といった余計な部分というか無駄な部分であっても、そこに価値を感じられるのであれば、喜んで受け入れるのかもしれません。

そして、価値がなければ中身、つまり、講習の内容だけの勝負となるわけです。


「店販品は店で購入」が96%

NBBAサロンユーザー調査2022年
理美容店の店販は来店客に売るのが本筋で、客の95.8%は店で直接購入している。

近年、ネットでの販売も行われるようになったが、「理美容店のサイト」「購入した商品のサイト」を合わせても5.1%に過ぎなかった。アマゾンや楽天などのECサイトで購入した人は6.5%だった。今後はネットでの店販品購入者は増えそうだ。

全国理美容製造者協会(NBBA)が2022年4月に発表したサロンユーザー調査2022年(2021年調査)・「店販商品について」より。(n=1255/最近1年間に購入経験あり、複数回答)。

購入商品は、シャンプー49.6%、洗い流すヘアトリートメント26.0%、コンディショナー25.0%、洗い流さないヘアトリートメント24.9%とシャンプー関連商品が多い。

1年間のサロン利用金額(技術+店販)をみると、店販商品購入者は7万6260円、未購入者は4万4991円と3万1千円を超える差があった。


以上引用。


さて、「店販品は店で購入」が96%をどのように読み解けばいいのでしょうか?折角立ち上げたECサイトが無駄になっているのでしょうか?

ひょっとすると、商品の良さをとにかく気に入っている人は、5%もいなのかもしれません。多くは、来店した“ついで”に購入しているのかなぁと。

確かに、美容室でよく聞く話しで「お客から、今購入している商品をネットでも買えないのか?」という質問はあるそうです。

しかし、だからといってアンケートからは、どうやら買うわけでもなさそうですね。多分ですが、意外とネットの方が安いかもしれないと思って聞いているだけかもしれません。

何故なら、どうせ来店するのだからその時に買えばいいだけの話しですから。

お客の要望に応えることは重要ではありますが、要望なのか希望なのか意見なのか文句なのかは紙一重といったところ。

耳を傾けることは大切だし大事だし、でも内容をちゃんと吟味しなければただ振り回されて終わり、なだけなので注意が必要です。





望月智之「2025年、人は「買い物」をしなくなる」




望月智之「買い物ゼロ秒時代の未来地図―2025年、人は「買い物」をしなくなる〈生活者編〉」





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