AIが人間を殺す日


小林雅一さん「AIが人間を殺す日(車、医療、兵器に組み込まれる
人口知能)」は、読まれたことがあるでしょうか?かなりのタイト
ルでありますが、自動運転、医療、兵器の分野でAIがどのように関
わっているか、更には関わっていくのかが書かれています。


ざっくりとですが、約30年前にPC(パソコン)、20年前にインター
ネット、10年前にスマートフォン。そして、現在がAIの時代だと言
われております。

この本を読んだ時に、もっとも印象に残った部分を書きたいと思う
のですが、それは、医療というか薬品についてです。

こんなことが書かれてありました・・・
「医療とは伝統的に一種のパターン認識に基づく経験的な科学に立
脚している」と・・・(ちなみに“パターン認識”が分からなけれ
ば、ググってね)

例えば、1928年に抗生物質である「ペニシリン」が発見されました。
これは、「細菌を培養したシャーレに、偶然アオカビが飛び込み、
これが周りにいる細菌を殺してしまった」ことから、発見されたそ
うです。

つまり「アオカビは細菌を殺す」というパターン認識だったという
わけですね。

「それ自体が病気に効く」ということは分かっても、「それが、何
故、病気に効くのか?」という根本的な理由は長らく不明だったそ
うなんです。

理由は分かってなくても、結果的に病気に効くんだからいいんじゃ
ないの?って感じなんすかね。

医薬物質が、どのような仕組みで人体に(細菌に)作用して効果を
発揮しているのかという理由が解明されるのは、20世紀後半にDNA
の構造解析を端緒とする分子生物学が発達してからなんです。

それ以前の創薬をはじめとする医療は「理由の解明」はさておき、
ある種の経験に基づくパターン認識によって患者を治療してきたと
いうこと。

なので、現在でも抗生物質以外の薬は、経験則と近似法的なものに
よるものが殆どとも言われていたりします。風邪に効く風邪薬が無
いみたいな。こんな事書くと、薬品関係者から怒られますかね。

以前も書いた記憶がありますが、薬はデータの塊です。この成分を
これだけの量を使えば、体にこんな作用が出るみたいな・・・世界
の大手製薬会社は、未だに、世界中を飛び回り、新しい成分を発見
するのに必死になってたりします。

だから、理由が分からずに、結果が出るからということで使ってる
ものは、案外多いのかもしれませんね。

小林雅一さん「AIが人間を殺す日」

AIが人間を殺す日 車、医療、兵器に組み込まれる人工知能 (集英社新書)



今月お勧めの一冊。西野亮廣さんの「新世界」です。

新世界 (単行本)



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