敬老の日


平均寿命の上昇には、健康、栄養、医療、教育、テクノロジー、衛生、所得といった多分野における状況の改善が関係している。どの要因の影響がもっとも大きいかについて、人口学者の見方は一様ではないが、専門家の共通認識に最も近いのはサミュエル・プレストンの研究だろう。

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プレストンの推計によれば、所得の上昇と栄養状況の改善が平均寿命上昇の要因の約25%を占めているが、大きな要因としては、感染症の媒介生物の駆除、医薬品、予防接種といった公衆衛生関連のイノベーションが挙げられるという。啓蒙活動が果たした役割も大きかった。例えば、喫煙と寿命の関係についての啓蒙キャンペーンは大きな効果をもった。『ライフ・シフト 100年時代の人生戦略』より





100歳以上、9万人超に 52年連続増、女性が88%

「敬老の日」(今年は19日)を前に、厚生労働省は16日、全国の100歳以上の高齢者が過去最多の9万526人になったと発表した。9万人を超えるのは初めてで、昨年から4016人増え52年連続増。全体のうち女性が8万161人と88.6%を占めた。男性は1万365人。最高齢は115歳だった。

厚労省の担当者は「医療や介護が充実していることなどが増加の要因だ」とした上で「増加数の伸び率は落ち着きつつある」と説明した。老人福祉法で「老人の日」と定めた15日時点で100歳以上の高齢者の数を、1日時点の住民基本台帳を基に集計した。


以上引用。


ちなみに、日本で戦後に寿命が延びた理由は以下のようになるようです。吉川洋『人口と日本経済』より


・経済成長により一人当たりの平均所得が上昇した
 栄養価の高い食事、隙間風の入らない住宅等々

・医学の進歩
 医療器具、医薬品、予防接種等々

・国民全体をカバーする皆保険の成立(1961年)
 高齢者になって経済的理由によって受療を抑制する必要が小さくなった





また、乳児の死亡率が低下したことも影響が大きかったようです。


ということで、記事中の厚労省の担当者の見解があまりにも短絡的すぎると思えるのは私だけでしょうかね。





スティーブン・ジョンソン「EXTRA LIFE なぜ100年で寿命が54歳も延びたのか」





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