健康を食い物にするメディアたち


国立大学の医学部(医学科)を卒業しながら、医師ではなくライタ
ーになった朽木誠一郎さんによる「健康を食い物にするメディアた
ち」はご存知でしょうか?


この本は今年、印象に残る一冊でした。かなりの読み応えがありま
したね。私は、美容メーカーの営業マンなので、全く医療とは関係
ないのですが、美容のニーズとしてエステがあるわけです。

エステティックは、美容の知識のみならず多少医療的なことも入っ
てくるわけですね。もちろん美容にしても、毛髪科学や皮膚科学と
いったことを扱うので、全く関係なくはないのですがね。

ちなみに、今は知りませんが、大手エステティックサロンの顧問は、
全て医療関係者であったはずです。まあ、どうでもいいですがね。

さて本題の朽木さんの本についてですね。

「医療の不確実性」という言葉があるそうです。医学部に入って、
医療倫理学の最初に授業で習うものだそうです。

これは、医療者であれば、誰でも専門教育の初めに教わる基本で、
簡単にいえば「医療に100%はない」という意味です。

朽木さんも指摘していましたが、改めてそういわれなければ、医療
者以外は考える機会がない言葉でしょう。だからこそ、騙す人に付
け込まれるスキがあるということだと。

つまりは、専門家は、医療には限界があるということを前提で話を
する。しかし、非専門家は、そうは思っていない。

これは、ほんとによくわかります。美容でも同じなんですね。美容
師さんは、商品でなんとでもなると思い込んでいるんです。髪の状
態が大前提なので、商品を使ったとしても前提を間違えれば、結果
がでないことだってある。でも、使えば結果が出るぐらいにしか考
えてないので、文句がでるわけです。

医療も同じでしょうね。医療も全て病気を治せると思い込んでいる
人って結構多いと思います。人前では、それはないだろうっていう
だろうけど、実際に病気になったときに、医療のスタンスがハッキ
リわかるんじゃないんですかね。

テレビ等では、さも治るようなことを言ってますが、実際に治るも
のなんて何一つないと思う。

特に、治せないのが、“痛み”です。年を取ってくると、原因不明
の痛みがアチコチに出てくる。幸い、私はまだですがね。

腰痛、首痛、肩痛、膝痛等々、上げたらきりがないですが、そのど
れもこれも、さも治るような感じですが、治った人なんていない。
この本では、“痛み”については書かれていませんでしたが・・・

ただ、人の命がかかっているわけで、簡単に医者も「限界がある」
なんて言えないのは、つらいところでしょうね。

明日に続きます。

朽木誠一郎さん「健康を食い物にするメディアたち」です。

健康を食い物にするメディアたち ネット時代の医療情報との付き合い方 (BuzzFeed Japan Book)



今月お勧めの一冊。西野亮廣さんの「新世界」です。

新世界 (単行本)



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