刺さるメッセージを生み出すために


前日のエントリーの続きです。
では、何故、そのオーナーさんは、“大人髪”に何かを感じてしまったのか(刺さったのか)?商品を売りたいと思ったとき、身近なレベルで消費者の行動を理解しようとします。消費者の好み、感情、性格といった理由をもとに行動を予測し、販売戦略を立てるものです。

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前回のエントリーでも触れましたが、美容師さんに刺さるメッセージがいいのか、それとも美容室に来店するお客さんに刺さることも含めてのメッセージがいいのか?

現実問題として、美容師さんに扱ってもらわなければ全く意味がないので、そこは美容師さんに刺さるようなメッセージがいいはずです。

もちろん、ドラッグストアで扱う美容関連商品であればダイレクトに消費者、つまり、美容室に来店するお客さんに刺さるようなメッセージがいいに決まっています。

いずれにしても、いかに刺さるかどうか。

冒頭に書いた消費者の行動から予測する販売戦略も確かに効果的だとは思いますが、最近では、もっと本能に突き刺さるようなメッセージの必要性が叫ばれているようです。

例えば、高価な有機野菜を買った人に「何故、そのサービスを選んだのか?」と尋ねたとします。

すると、大抵の人は、「健康的だから」や「安全性が高いから」といった答えが返ってくるでしょう。

「有機野菜を欲しがる本能とは?」などと考える人などおらず、普通は身近な感覚だけで頼りに答えを探すものです。

なので、このような回答をもとに、「健康な体を手に入れる」や「安心で安全な食卓を」といった売り文句が一番に浮かび、それ以上の案は出にくくなるでしょう。

これらの売り文句が間違いではありませんし、上手くいくケースもあるでしょうけれど、消費者の至近な反応だけを手がかりにするのはあまりにも安易ではないでしょうか。

先程の「健康的だから」や「安全性が高いから」といったサービスを選んだ理由のその先を知る必要があり、つまり、どうして健康的である必要があるのか?安全性が高い必要があるのか?

多分、これを直接、消費者に尋ねても答えに困ってしまうはずです。

ちなみに、この場合、本能的に「安らぐ」を求めている状態で、このような消費者に訴えかけるには、いかに信頼感を与えるかが鍵となります。

まあ、世間一般でいうところの「有機野菜」それ自体が、信頼に値するものと無意識で判断しているのでしょう。

実際、有機野菜の何がどのようにいかに健康的で安全かと問われれば、多くの消費者は分からないでしょうからね。

ということで、話を元に戻すと、大人髪が何故刺さったのか?

これは、「決する」本能が活性化されたのだろうと思います。

決する本能とは、自分の行動や目標を自分で決めて実行したい本能のことです。

日頃より、来店するお客さんの髪の毛の状態を気にしており、しかも、客層もやや上であり、どうにかならないものかと過ごしていたのではないかと勝手に想像しております。

まあ、次に会うときに自分の想像を確かめてみようと思います。





鈴木祐「進化論マーケティング」




阿部誠「サクッとわかるビジネス教養 行動経済学」





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