皮膚とSS結合とシワ


毛髪は、ケラチン、つまり、繊維状タンパク質というタイプのタンパク質からつくられています。タンパク質は沢山のアミノ酸がつながってできています。毛髪には、「シスチン」というアミノ酸が含まれ、シスチンは「システイン」というアミノ酸が2つくっついた構造を持ったアミノ酸です。

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これがアミノ酸の側鎖結合の一つである「シスチン結合(SS結合)」であるわけです。このSS結合こそが毛髪内部のアノらせん構造と深く関係していることはあまりにも(美容業界では)有名?な話です。

ちなみに、ケラチンは髪だけではなく皮膚や爪など、人の体の表面に当たる部分を構成するタンパク質であり、タンパク質の中でも指折りの弾力と硬度を持つ物質です。

ということで、毛髪の話とおもいきや今回は、皮膚におけるSS結合の話。


皮膚SS結合の加齢による減少がシワの一因

老人性のシワは、「皮膚のSS結合が減ると皮膚が変形後、元に戻りにくくなる」「加齢によって角層のSS結合量が減少する」ことが一因かもしれない。ポーラ化成工業(ポーラ・オルビスグループ)は、皮膚の角層と皮膚の変形の関係性に着目して研究した結果を2023年7月14日発表した。

角層細胞はコーニファイドエンベロープ(CE)と呼ばれるタンパク質でできた膜に包まれているが、この膜にはチオール基(SH基)をもつシステインがあり、システインの2つのチオール基が化学反応して、SS結合(シスチン結合)が作られた状態で存在している。このSS結合がCE内のタンパク質とタンパク質の間を『架け橋』のようにつないでタンパク質の立体構造の形成を助け、補強しているといわれる。

研究は、SS結合は皮膚の変形後の戻りにも影響を及ぼすのではないかと仮説を立て、皮膚組織に線状の凹みを人為的に作製し検証した結果、SS結合の少ない皮膚では凹みが元の状態に戻りにくいことが明らかとなった。また、20~60代の女性の頬部角層を採取し、SS結合量を調査した結果、角層のSS結合量は、加齢に伴い減少していることが明らかとなった。研究では、さらにSS結合を形成する酵素を増やすエキスとして、バクモンドウエキスに酵素の遺伝子発現量から有効性があることが明らかになった、としている。


以上引用。


中々面白いですね。

皮膚、詳しくは、表皮の角質層(角層)に存在するSS結合が加齢によってシワと関係しているとかしないとかの話。

毛髪でもSS結合の減少やそもそもその結合の数が人によってマチマチって話もあるようですし、皮膚でもそういった話はあるのでしょうね。

ただ、角質層に存在する細胞っていずれ剥がれ落ちる細胞なので、しかも、実質細胞としては終わっている。そこは毛髪も同じですね。

毛髪にしても毛幹はケラチンの集まりですから、細胞がどうのこうのではなく、やはり、結合がどうのこうのって話になります。

シワの話ってことは化粧品とつながるわけで、化粧品となると角質層までしか実際には言及できないわけで、新たなシワの原因みたいなものを探っているようにしか私には思えないのですが・・・

そもそも表皮の基底層からつくられるケラチノサイトが既に老化しているんじゃないか説である、基底層に存在する「幹細胞の老化」って話がありますよね!?

そりゃそこから生まれる角質細胞が角質層に到達するころにはSS結合も減少、というかそもそも少ないってこともあるでしょうし。

ただ、これは私の憶測でしかないので、そこは実験してちゃんと調べて「やっぱりそうでした」ってことが非常に大切なわけです。

つまり、やっぱりSS結合が減少して誕生していました、みたいな。

この研究では、角質層に存在するSS結合が加齢に伴い減少することが分かったわけで、それがどのようにシワと関わっているかを探ることになりそうです。

今後、この成果がどのように化粧品や医薬部外品と関わってくるのでしょうか?





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