意味のないデータ解析とは
経営において一番大切なことのひとつが「値決め」とされています。自社の利益を上げ、コストを上回る販売価格にすることを意識し、競合する企業の類似商品との兼ね合いや市場価格を考慮して企業は商品の価格を決めている・・・はず!?
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とはいえ、上記の流れで価格を決定しても買われなければ、売れなければ何の意味もありません。
つまりは、市場競争、需給環境によって価格を”決めさせられている”といった方が国内市場、とくに美容業界ではそう感じてしまいます。
全国に必要(需要)以上?に存在している美容室が、美容室側の思惑だけで価格を「決定する・引き上げる」ことは困難です。
少し前のカット専門店、ヘアカラー専門店の価格を見れば、いかに価格を引き上げることが難しいか。
昨今の輸入物価上昇により、背に腹は代えられぬとばかりに、そういった低価格帯の店舗が軒並み値上げに踏み切ったのは、初めから無理のある価格設定であることの証明でしかありませんでした。
『パーマネント代、カット代、ヘアカラーリング代の関係は』
美容室のメインメニューといえるパーマネント、カット、ヘアカラーリングの料金は密接な関係がありそうです。たとえるならヒトの身長、体重、胸囲の関係に近そうです。そこで「小売物価統計調査」(総務省)のデータをもとに、三つの関係を調べてみました。使用したのは同調査2022年(年次)の47都道府県県庁所在都市のパーマネント代、カット代、ヘアカラーリング代です。
それぞれの料金を散布図にしてみました。なんとなく関係はありそうです。なんとなくでは頼りないので、エクセルを使って相関関係を調べてみたところ、この三つの関係は強い関係ではないのですが「関係あり」という結果がでました。一番強いのは、カットとパーマネント、次いでカラーリングとパーマネント、カラーリングとカットは弱い関係です。ちなみに理容料と美容室を代表してカット代の関係を調べてみたら、上記3者の関係より弱いのもわかりました。
ヘアカラーリング代が高ければ、パーマネント代もカット代も高いのは、身長が高ければ体重は重く、胸囲は大きいという関係に近そうです。
以上引用。
上記は、美容室の価格そのものではなく、各メニュー(カット、パーマ、ヘアカラー)価格の相関関係を導きだそうとしたもの、のようですが・・・どうやら、あまりにも無理があったようですね!?
カット、パーマ、ヘアカラーを一つの美容室で提供していたものをわざわざ細分化し、しかも、低価格にするというビジネスモデルを採用している美容室と一般的な美容室の価格帯を同じように扱うのは、違和感しかありません。
今回用いた総務省のデータが区別されていれば話はもちろん変わりますが、データ整理が緻密でなければ、こういったデータ解析に何の意味もないと思います。
前半に書いたように、そもそも価格設定のアプローチが低価格美容室と一般美容室では違うってことです。
中室牧子・津川友介
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
福永雅文「中小企業のコンサル事例でわかる ランチェスター戦略〈圧倒的に勝つ〉経営」
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