解明されたことをベースにする姿勢
1990年代以降、分子細胞学的手法が取り入れられ、毛髪の形成や再生の仕組みを遺伝子や分子レベルで解明できるようになりました。分子細胞生物学の進歩と技術(情報処理や光学機器など)の進歩が相乗効果となって、今まで(毛髪に関する)未知の部分も更に解明されていくでしょう。
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『毛髪内部を可視化する独自イメージング技術確立 タカラベルモント』
タカラベルモントは、髪質や毛髪内に生じる変化を可視化して調べるため、毛髪を薄くスライスし、そこに様々な蛍光染色を組み合わせる独自のイメージング技術を確立した。(中略)毛髪の重要な構成要素として、ジスルフィド結合(S-S結合)があり、これがパーマ剤による還元や紫外線などによって切断されてチオール基(-SH)を生じた状態では、毛の形状が変形しやすく、毛髪強度も低下します。一方で、健康毛でも-SHが存在することは知られており、毛髪の柔軟性を保つ上で重要な存在だとも考えられてきましたが、この-SHについて、具体的にどこで、どのように存在しているのかはわかっていませんでした。そこで、まず健康毛における-SHをDACMという蛍光色素で選択的に標識し、さらにCMCやコルテックスの状態を識別する染色法と組み合わせることで、健康毛における-SHの詳細な分布を可視化することに成功しました。また、この分布パターンは人により違いがあることもわかり、この分布パターンの違いが髪質にどのような影響を与えるのかを今後は調べていきます。
以上引用。
単純に技術の進歩?進化?により、見えなかったものが見えるようになっています。今回であれば、『チオール基(-SH)の詳細な分布が可視化された』ということ。
多分?間違いなく?存在するであろうと考えられていた「チオール基(-SH)」が確かに存在することが分かったわけですね(そして分布も)。
パーマ剤による還元によって切断されるジスルフィド結合(S-S結合)ですが、それにしても以前であれば結晶領域に適用すると考えられていましたが、最近では非結晶領域に適用する考え方が有力です。これも、毛髪の微細構造の研究の結果。
このように今まで未知の部分が解明され、パーマ剤の還元作用が改めて解明されていくと、その解明されたことをベースに商品開発が進むのは当然の流れです。
なので、メーカー側というかモノやサービスを提供する側は、こういった研究結果や研究過程を常にフォローしアップデートしなければなりません、と思った次第でした。
モンティ・ライマン「皮膚、人間のすべてを語る」
山本健人「すばらしい人体」
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