コスパやタイパで語られる読書で思うこと


読書の成果が思わしくない最大の原因については、まだ述べていない。それは、以上述べた原因よりもはるかに単純な原因である。それは、考えることをしないということである。人は繰り返し、繰り返し読みはするが、それ以上に努力は払わなくとも、作者のいわんとする要点は吸収同化されるものと、厚かましくも考えているのである。

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しかし、そんなことはない。吸収同化されていない証拠は、自分自身の生活を振り返ってみればわかるだろう。少なくとも、読むのに費やしたのと同じ時間を、その内容について活発に、明瞭に考えてみることに費やさないとしたら、極端な話、それは著者を侮蔑していることになると私は思う。

著者が伝えようとしている思想を分類し、伝えようとしている感情を明確に自分の心に刻印するために、労をいとわず頭を使い、心を傾けないならば、読書とは、単なる気晴らし以外の何物でもなくなる。『アーノルド・ベネットの賢者の習慣』より





ちょっとばかり長い引用となってしまいました。上記で語られる「読書」に関する記述ですが、私が最も影響を受け、そして感銘を受けたものであります。


『考えることをしない』


読書はこれに尽きると私は思っております。なので、これを読んだ以降は出来る限り「考える」「何を自分が感じたのか」に努めております。

以前であれば、情報収集作業のように何が書かれているかを必死に探っておりました。まあ、一つの知識として。

もちろん、沢山知識があることも素敵なことなのかもしれませんが、知識とは何かの場面で使ってこそ知識となるものなので、やはり、そこに「考える」ことをしなければ知識が知識で終わるだけでしょう。

ということで、こちら。


月7冊の読書ができる人が圧倒的に突き抜ける訳 日本人の平均は月1冊、半数近くは本を読まない

(前略)日本人の年間の読書量は12.3冊といいます。1カ月に、たったの1冊です。さらに、驚愕のデータがあります。文化庁の「国語に関する世論調査」(2018年度)での「1カ月に大体何冊くらい本を読んでいるか」(雑誌や漫画をのぞく)という質問に対して、本を1冊も「読まない」と答えた人が、全体の47.3%にものぼっています。驚くことに、日本人の半数近くが本を読む習慣がないのです。「1、2冊」と答えた人が37.6%。「3、4冊」が8.6%。「5、6冊」が3.2%。「7冊以上」が3.2%です。つまり、月に7冊読むだけで、あなたは読書量において日本人の上位3%に入ることができるのです。(後略)


以上引用。


こちらは、ある書籍の一部を抜粋したものなので、これで読書に関してどうこうを判断するのはよくないとは思うものの、ここだけ切り取る前提であれば、冒頭の引用にあるように『著者を侮蔑していることになる』と私は思います。

コスパ、タイパで語られてしまう読書にはどうしても抵抗感があるのは私だけでしょうかね?





見城徹「読書という荒野」





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