コラーゲンを取り出す技術


石井光さんの「医者の罪と罰」に詳細は譲りますが、コラーゲンサ
プリメントの正体が中国の養殖淡水魚ティラピアのウロコがだった
ことを、昨日の記事で紹介しました。


但し、著者の石井さんによると、コラーゲンサプリメントでも本物
ならば、かなりの医療効果があることは認めています。

つまり、利益を追求することが目的となったコラーゲンサプリメン
トがいけないわけで、コラーゲンサプリメント自体の問題ではない
ということです。

物事というのは、必ず表と裏があるものです。違う角度から物事を
見ると見えなかったものが見えるわけです。

何を言いたいのかというと、「そんな中国の養殖淡水魚ティラピア
のウロコからコラーゲンを採るなんて、酷い」「しかも、それをコ
ラーゲンサプリメントとして売っていたなんて、酷すぎる」と思わ
ずにはいられませんが、このウロコからコラーゲンを採るというこ
とに焦点を当てると意外な事実が明らかになります。

田宮寛之さん「無名でもすごい優良企業」で紹介されているのです
が、「魚のウロコからコラーゲンを取り出す技術」というのは、ど
こもかしこも出来ることではないということです。

魚のウロコからコラーゲンを取り出す技術を持つ会社を「多木化学」
と言います。

以下は、田宮寛之さん「無名でもすごい優良企業」から引用させて
もらいます。

『多木化学は魚のウロコからコラーゲンを取り出す技術を持つ。同
社は熱帯の食用魚ティラピアのウロコからコラーゲンを抽出し、化
粧品や医療分野への活用について研究している。ティラピアとは白
身の魚であり、フィッシュフライ用として人気があるが、食用とし
て利用されることのないウロコにも大きな価値があるのだ。

このウロコ由来コラーゲンの一番の特徴は安全性が高いこと。これ
まで魚類には人に感染するウイルスが確認されていない。この点が
牛や豚由来コラーゲンとの大きな違いだ。

また、同社は魚のウロコ由来のコラーゲンで高強度のコラーゲンフ
ァイバーを作ることにも成功した。一言でいえばコラーゲンの糸だ。
コラーゲンファイバーの分子構造が人間の体内に存在するコラーゲ
ンと同じであるため、欠損した靭帯や腱の再生材料となる可能性が
高い。

ゴミとして廃棄されていたウロコがサプリメントや化粧品の材料と
して活用されるだけでなく、再生医療においても重要な役割を果た
すことになる。』

ということなんです。

折角、素晴らしい技術で取り出されたコラーゲンでも利益のみを追
求するのか、それとも世の為人の為になるように使っていくのかで、
出てくる答えが違うということです。

やはり私は、世の為人の為になるような仕事がしたいものです。


田宮寛之さん「無名でもすごい優良企業」

業界地図の見方が変わる! 無名でもすごい超優良企業 (講談社+α新書)



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