お金2.0
佐藤航陽さんの「お金2.0」を読みました。ホリエモン曰く「ハー
ドルの高い論旨が、非常にわかりやすく的確にまとめられている」
とのことでしたが、確かにそうでした。
感想を一言でいうと、滅茶苦茶面白かった!につきます。こういう
本を読むと、どうすればこんなことを考えきれて、しかも書籍化で
きるのかと、ほんと感心してしまいます。
中国のネットに関する情報が非常に面白かった。現在の中国は、ネ
ットに関するインフラ整備が、日本より先にをいっているというこ
とがよく分かりました。
SHOWROOMの前田さんがやっている、ライブ配信にしても、中国が
先行していたりする。
ただ、補足したいのが、日本が遅れているということも理解できる
のですが、今の中国は、政府がしっかりと財政出動しているわけで、
対する日本は、緊縮財政でインフラにカネをかけられないのが、個
人的には、歯がゆいところです。
とにかく、印象に残った文章があまりにも多いのですが、以下にそ
の一部を引用させてもらいます。
「既存の資本主義に多くの人が感じていたことは、『お金にはなら
ないけど価値のあるものって、存在するよね?』という点だと思い
ます」
「今起きていることは、お金が価値を媒介する唯一の手段であった
という『独占』が終わりつつあるということです。価値を保存・交
換・測定する手段は私たちがいつも使っているお金である必要はな
くなっています」
等々、数え切れないほどの、素敵な文章がありすぎます。
お金を中心にこれからの世の中がどうのように、変化していくかを、
わかりやすく説明してくれています。
「資本主義」から「価値主義」へと時代が変わり、今まで確かに価
値として存在していたものが、全て資本主義の中に組み込まれて扱
われていくようになる、というか既になっている。
価値を3つの分類で紹介しています。
① 有用性としての価値
② 内面的な価値
③ 社会的な価値
それぞれの価値の詳細は、本を読んでもらうことにして、今までの
資本主義の問題点は、①のみを価値として認めておらず、②③を無
視してきた点にあると指摘しています。
全ての価値が認められると、世の中はどうなるのか?
社会的に価値ある取り組みは利益を出しやすくなり、利潤のみを徹
底的に追及する事業は、短期的な利益を求めすぎて消費者に避けら
れてしまうか、過剰競争に巻き込まれて長期的には収益を出しにく
くなっていくはずです。
利益ばかり追求して、社員を酷使して何の社会的な意味も見出せな
い企業は、優秀な人材も引き寄せられず、内部告発や社員の離反を
招き、消費者からの共感も得られない。
テクノロジーがドンドン進化する世の中ですが、進化すればするほ
ど、“人”をいかに大事できるかが大事なのかと考えてしまいまし
た。
となると、デフレ型ビジネスモデルが限界にきていることも、頷け
ます。
佐藤航陽さん「お金2.0」
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