皮膚バリア構造に欠陥を招くもの


皮膚が乾燥して軽いかゆみがあるだけの場合から、ふつうの生活が送れないほどの重症例まで、湿疹の症状には幅があるが、いずれも免疫システムが不安定になった影響が皮膚に現れる純粋なインサイドアウト(体内→体外)の症状だと長らく考えられていた。

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ところが、2006年になって、イギリスのダンディー大学のチームが率いた研究により、湿疹の発生にはフィラグリンというタンパク質をコードする遺伝子の変異が深くかかわっていることが明らかになった。

フィラグリンは角層のバリアが正しく機能するために欠かせないタンパク質で、角層を保湿する作用のほか、死んだ細胞であるケラチノサイトの重なりをひとつにまとめる役割を担っている。

このタンパク質が欠損すると角層にひび割れが生じてバリアのはたらきが弱まり、アレルゲン(アレルギー反応を引き起こす抗原物質)や微生物が外界から侵入しやすくなったり、水分を保持できずに逃してしまったりする。

このアウトサイドイン(体外→体内)のモデルによれば、湿疹の多くは体内の免疫機構の異常というよりも、むしろ皮膚バリア構造の欠陥が原因で生じるものだ。


以上、モンティ・ライマン「皮膚、人間のすべてを語る」より。




ということで、皮膚の異常についてフィラグリンというタンパク質が関わっているらしいことは、上記を読むことで認識はしておりましたが、以下では、タンパク質ではなく不飽和脂肪酸が関わっていることが発見されたようです。

こちらの不飽和脂肪酸についてもフィラグリン同様、皮膚バリア構造の欠陥を招く物質ということになるのでしょうか。

まあ、とにもかくにも乾燥時期の保湿が大切であることは変わりはないようです。


不飽和脂肪酸が皮膚バリア機能に悪影響

皮膚トラブルの一つ、乾燥肌を引き起こす可能性が原因物質が判明し、その原因物質を取り除く技術が開発された。

花王のスキンケア研究所・マテリアルサイエンス研究所・解析科学研究所・生物科学研究所は、分泌皮脂中の成分である不飽和脂肪酸が、皮膚のバリア機能に悪影響を及ぼし、乾燥を引き起こす可能性があることを見いだした、と2023年11月29日発表した。

さらに、その不飽和脂肪酸を選択的に皮膚の上でトラップするため、不飽和脂肪酸と結びつくとスポンジ様構造をとる、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を活用した技術を開発した。この技術を用いることで、不飽和脂肪酸の肌への接触を抑制することにつながると考える、とした。

今回の研究成果は、第48回日本香粧品学会(2023年6月23~24日・東京都)、第74回コロイドおよび界面化学討論会(2023年9月12~15日・長野県)で発表した、という。


(参考)『肌あれの新たな原因の解明へ 皮脂中の不飽和脂肪酸をトラップする新技術を開発





椛島健治「人体最強の臓器 皮膚のふしぎ」





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