コンビニの話
今では生活に欠かせなくなったコンビニ。コンビニに行けば生活必
需品は、殆ど揃うようになってきています。ひと昔前までは、「コ
ンビニに行ったことがない(買い物をしたことがない)」って言う
人もいましたが、流石に今はいませんね。
自分の両親の話で恐縮ですが、コンビニでコーヒーを買っていると
聞いた時には驚きました。しかも、「セブンイレブンが一番おいし
い」と教えてくれました。
他のコンビニのコーヒーも気になって飲み比べた結果、一番おいし
かったそうです。
コンビニ業界でトップの業績であるセブンイレブンですが、加谷珪
一さんの「ポスト新産業革命」によると「セブンイレブンは創業以
来初となる店舗レイアウトの刷新に乗り出した」そうです。
詳細は、加谷珪一さん「ポスト新産業革命」を読んでもらうとして、
その一部を引用して紹介します。
日本の人口動態(少子高齢化)とライフスタイルの変化で、郊外型
スーパーは縮小。コンビニがスーパーの顧客層を取り込む動きが活
発化している。
つまりセブンは、顧客層の変化に対応するために店舗のレイアウト
を刷新するわけです。
(以下引用)
『店舗のレイアウトは売上高と密接な関係があります。どの場所に
どのような商品を配置するのかで、店舗の業績は大きく変わります。
従来のセブンの店舗は、入り口を入ると左手にレジカウンターがあ
り、右手に雑誌が配置されるというケースが大半でした。
雑誌を立ち読みする人が外から見えるようにして、歩行者に来店を
促す仕掛けとなっている。
カウンターの近くには、お弁当やチルドの棚があり、反対側には飲
料の入る大型冷蔵庫が配置されることが多い(物件の間取りにもよ
るが、基本的にはどの店舗も同じ方針に沿って商品が配置)。
新レイアウトの店舗では、入り口の右側に雑誌があるという点は同
じだが(店舗によってはイートインも検討している模様)、雑誌の
スペースは大幅に縮小され、入り口の左側は冷食の棚となった。
レジカウンターは奥に移動し、おでんや揚げ物、コーヒーを拡充す
るためのカウンターが3倍ほど長くなっている。雑誌スペースが縮
小し、冷凍食品とファストフードが大幅に増えていることがわかる。
今回のレイアウト変更でセブンが狙っているのは、客単価と利益率
の向上である。セブンの1店舗あたりの平均的な年間売上高は2億
3000万円に達するが、これは競合他社と比較して突出して高い(例
えばローソンは約1億6000万円程度)。その理由は店舗の立地の良
さから、もともとの来客数が多く、それをうまく活用して単価の高
い商品を販売できているからである。
セブンの最終的な目的は、ファストフード類の販売拡大だろう。
コンビニの商品は種類ごとに利益率が大きく異なっているが、単価
が高く、かつ利益率の高いものは、弁当や総菜などファストフード
類である。おでんなど店内での加工が増えるほど利益率が高くなっ
てくるので、販売数量が大きくなるとさらに収益に貢献する。
一方、飲料や菓子などの加工食品は、本部がいくらで仕入れたかに
よって利益率が一意的に決まってしまうことに加え、単価はそれほ
ど高くない。販売数量が見込めればという条件付きだが、ファスト
フードの比率を上げると、店舗の業績は拡大する可能性が高い。
入り口を入ると冷凍食品があり、これを見た顧客は今夜の食事のメ
ニューを考えることになる。奥に進めば、拡張されたカウンターに
おでんなどが並んでおり、総菜類も豊富。夜の食事を基本にすると、
もう1品、ついで買いをする確率が高まるので、客単価も高くなる
という仕組み。
新しい店舗のレイアウトでは、雑誌コーナーに惹かれて来店した単
身男性客の比率が低下し、女性客の割合が高まることになる可能性
が高い。』(引用終)
時代の流れを読み取り、どこにニーズがあるかを上手く捉えている
と感心してしまいました。
同じ店舗でのビジネスでも、雑誌に惹かれて来店する男性客を相手
にするビジネスと、仕事をしている女性客を相手にするのとでは大
きな違いがあるということです。
ニーズのある商品をただ置いていれば売れるということではなく、
そこに一工夫も二工夫も凝らして販売する姿勢こそが、売上アップ
に貢献しているのだと勉強になりました。
取り扱われている商品そのものに目が行きがちですが、その商品を
どのようにお客に見せていくかが販売拡大のカギとなっているわけ
ですね。
つまり、何を扱うかではなく、何を“どのように”売っていくかが
大事だということです。
加谷珪一さん「ポスト新産業革命」です。
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