先回り・気配り・気づき


クレーム処理の鉄則は、クレームを起こさないことです。もっと言
えば、起こりうるクレームは未然に防ぐことです。営業はクレーム
処理ばかりです。「結果が出ない」「上手く使えない」「言われた
通りにやったけど、ならない」等々、挙げたらきりがありません。


営業マンならば、自分が扱っている商品について、特徴・性質、長
所・短所、考えられるあらゆる事を想定して、商品の提供、提案、
使い方をしなければならりません。

クレーム処理というよりは、「先回り・気配り」です。仕事におい
て、よく耳にする言葉ですが、これは誰でも簡単に出来るものでは
ありません。

逆に言えば、これが出来る人から、営業成績は素晴らしです。

何故ならば、仕事という仕事の全ては、「先回り・気配り」ができ
るかどうかだからです。所謂、仕事が出来る人は、当たり前のよう
に「先回り・気配り」が出来ます。

これは、仕事が出来るということで、“頭が良い”ということでは
ありません。

「先回り・気配り」は、営業力のない人がやると、気配りも単なる
お節介だし、先回りも早合点になります。


自分中心に動くのか、それとも相手中心で動くのか。

自分中心とは、相手に文句を言われないようにして動くことであり、
相手中心とは相手がいかに喜んでくれるだろうかと思って動くこと。


「先回り」するには、まず「気配り」です。その前に「気づき」が
あるかどうかです。

もっと言えば、「気づけるか?」です。

「気づき」を得るにはどうすればいいでしょうか?

これは、いかに相手の話を「聴く」か、そして相手の行動を「観る」
かどうかです。

聞くではなく「聴く」
見るではなく「観る」


もちろんですが、本気で営業成績を上げてやろうと思わないと、い
くら聞こうが、いくら見ようが成績は上がらないし、気づきなんて
得られませんので。


以前の記事でも書きましたが、「見る」と「観る」で印象に残って
いるのが、あの本田宗一郎大先生の「会社のために働くな」であり
ます。

工場見学の事が書いてあるのですが、本田の工場には、工場見学を
お願いする方々が、国内外を問わずに多方面からあるそうで。

日本人の場合、ただ単に見学に来ているだけだから、見学終了後に
何の質問もない。質問があったかと思えば、工場の人数と組織と機
械数ぐらいだそうです。

ところが、外国人(当時のソ連)が見学に来た時なんかは、「オー
トバイ屋に工作機械部門があるのはおかしい」「工作機械メーカー
に任せれば、いいのでは?もっと安い機械で済むだろうに?」と質
問があった。

ところが、実際に工作機械を見せると、本田の工作機械が、手が込
んでいて、“他のメーカーでは作れない”となって疑問が解決した
次第だったと。

つまりは、観た後には、必ず「どうして」「なぜ」があるというわ
けです。これが、「気づき」というものです。

営業は先回りが大事であると教わっても、いくら形だけを真似して
も、中身が伴っていないから、全く気づきが得られずに先回りも気
配りもできない。

それどこらか、クレームばかりもらってしまうでしょうね。

但し「クレームゼロが完全無欠ではない」のです。

クレームは、言ってくれるだけ有難い場合があります。わざわざ、
クレームを言う人はそういないんです。逆に、言わない人ほど気を
付けなければなりません。

だからこそ、相手の話をよく聴いて相手の動きをよく観なければな
らないのです。


本田宗一郎大先生の「会社のために働くな」

会社のために働くな



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