世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事
「科学的根拠のない健康情報」とは、一見正しそうな以下のような
ものが該当する。
・炭水化物は健康に悪く、食べると太る。
・βカロテンやリコピンは健康に良い。
・果汁100%のフルーツジュースは健康に良い。
「イエス」と答えた人はぜひこの本を読んでほしい。きっと目から
うろこが落ちるような発見があるだろう。
以上のような書き出しで始まるのが、津川友介さん「世界一シンプ
ルで科学的に証明された究極の食事」であります。
この本のキーワードは「エビデンス」だと思います。
知らない人のために「エビデンス」について説明します。
専門家は、科学的根拠のあることをエビデンスと呼びます。
更にここからが大事なのですが、このエビデンスにはレベルがある
ということです。単に、“科学的根拠がある”というだけではない
ということです。
最も信頼できるエビデンスのことを、「エビデンスが強い」と表現
し、あまり信頼できないエビデンスのことを、「エビデンスが弱い」
と表現します。
今後このエビデンスという言葉を巧みに使ったあやしい情報や商品
も増えてくると、津川さんは指摘しています。
そのような場合にも対応するために、1つの判断方法として活用し
てほしいということで、医学研究のエビデンスについて説明してく
れています。
その中で、「最強」のエビデンスが存在するというのです。
その最強のエビデンスとは、メタアナリシスという研究手法によっ
て導き出された結果であり、メタアナリシスとは、複数の研究結果
をとりまとめた研究手法のことです。
この事は大いに今後の、医療・健康に関する情報の判断方法として
活用していきたいと思います。
この本の中でお勧めしたいのが、【コラム】です。
【コラム】の項目が以下になります。
・食事と体重の関係
・チョコレートは薬か毒か?
・オーガニック食材は健康に良いのか?
・牛乳やヨーグルトは体に良いのか、悪いのか?
・グルテンフリーは健康に良いのか?
・日本食は塩分が多い
・卵は「1週間に6個まで」
・「カロリーゼロ」は健康への悪影響も「ゼロ」?
・インターネットを使って正しく健康情報を入手する方法
どれもこれも、食事についての情報としては、よく聞く内容です。
ですが、実のところエビデンス的にはというと、よくわかりません。
今回一つだけ紹介したいのが、「オーガニック食材は健康に良いの
か?」です。
以下に抜粋します。
『オーガニック食材は一般の食材と比べて、①栄養価は変わらない、
②残留農薬は若干少ない(しかし一般の食材でも農薬の量は許容範
囲内)、③冬場の肉に関しては食中毒を起こすリスクが高い、とま
とめることができる。
2016年には欧州議会によって招集された調査チームによってオーガ
ニック食材が人間の健康にどのようなメリットがあるか研究された
が、ほぼ同様の結果が得られた。』
結論としては、「過剰に反応する必要はない」ということです。
オーガニック食材は、イメージがいいもので、多分いいものだろう
と思い込んでいるだけなのかもしれません。
ただ、そのイメージの部分に付け込んでくるのも事実です。
津川さんは、このことについても以下のように指摘しています。
『視聴率や本の売り上げさえ上がれば良いという市場原理(経済合
理性)にのっとって作られているため、情報の正しさよりも、目新
しさや意外性が最優先されている。』
健康になるためには、テレビや健康本、日本語で書かれたインター
ネットの情報の3つは“あまり信用しない”ことが第一歩になるは
ずです。
ちなみに津川友介さんはブログ「医療政策学×医療経済学」で医療
に関する最新情報を発信しています。
更に、このブログで「世界一シンプルで科学的に証明された究極の
食事」の訂正・追加情報も発信しています。
話は変わりますが、朽木誠一郎さんの「健康を食い物にするメディ
アたち」は、当ブログで度々紹介させて頂いております。
個人的に、この2冊を読めば、医療・健康・食事に関する事は、
一般の人間であれば完璧だと思いました。
是非とも、どんな人にも読んでもらいたいと思います。
こんな事を考えていたら、津川友介さんのブログでも朽木誠一郎さ
んの「健康を食い物にするメディアたち」を紹介する記事がアップ
されておりました。
そちらも是非参考にされたらいいと思います。
『いつからメディアは「健康を食い物にする」ようになったのだろうか?』
津川友介さん「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
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