シンギュラリティ・ビジネス


齋藤和紀さんの「シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残
る企業と人の条件」を読みました。タイトルにあるように、この本
のキーワードは「シンギュラリティ」そして、もう一つが「エクス
ポネンシャル」になります。この二つのキーワードを聞いて、“ハ
イハイ”とくる人は、この分野の専門家か勉強している方でしょう。


「シンギュラリティ」と「エクスポネンシャル」の説明につては、
この本を読んでもらうのが一番なのですが、少しだけさせてもらい
ますね。

といいつつ、この本の中から引用させてもらいますと・・・

シンギュラリティは、もともと「特異点」を意味する言葉です。

数学や物理学の世界でよく使われる概念なので、一般の人々が知ら
なくても無理ありません。

ここでは、ただの特異点という意味ではなく、正式には「技術的特
異点(テクノロジカル・シンギュラリティ)」といいます。

それがいまは、単に「シンギュラリティ」といえば、この技術的特
異点のことを意味するようになりました。


続いて、エクスポネンシャルです。

技術が「倍々ゲーム」=「指数関数的」に進化することであり、指
数関数のことを、英語では「exponential function」といいます。

それを「エクスポネンシャル」と呼ぶことにしています。

どちらの言葉の意味もハッキリ言って、なんのこっちゃ?ですが、
社会の未来を語る上では最重要ワードらしいので、この際ですから
覚えておいても損はないでしょう。

元々、この「シンギュラリティ」という概念が定着したのは、米国
の発明家であり未来学者、AIの世界的権威であるレイ・カーツワイ
ルが2005年に発表した著作が発端です。

このレイ・カーツワイルさん、発明家としてももちろん素晴らし業
績があるのですが、未来学者としても数々の予言を的中させている
とのことで。

その中でもいちばん世界を驚かせたのは、ヒトゲノム計画が完了す
る時期を予言したことです。


ヒトのゲノムを解析するプロジェクトは1990年にスタートし、15年
間で完了する予定でした。

しかし、7年が過ぎても、進歩率がわずか1%。単純計算では、終
わるまで700年もかかってしまうことになります。

ところがカーツワイルは、「1%できたということは、すでに半分
以上できたということだ」と考え、あと数年でヒトゲノムの解析が
完了すると予言しました。


ちなみに、「1%で半分」とは奇妙な話と思われるでしょう。

それについて興味ある方は是非、齋藤和紀さんの「シンギュラリテ
ィ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件」を読んで下さ
い。

齋藤和紀さん曰く「この部分が、本書の中心的なテーマにほかなり
ません」とのことです。

さて、話を戻すと、ヒトゲノム解析はカーツワイルが予言したとお
りの時期に完了しました。

完全版が公開されたのは、2003年のこと。解析作業自体は2000年に
終了していました。

計画のスタートから10年ですから、まさに7年で1%まで進んだ段
階で、半分以上できていたわけです。


このように技術の進化が、どのように社会の在り方や、我々人間の
仕事の在り方までを左右していくかが、詳細に書かれている良書だ
と思います。

是非読んでみてください。


齋藤和紀さん「シンギュラリティ・ビジネス」
       AI時代に勝ち残る企業と人の条件

シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残る企業と人の条件 (幻冬舎新書)



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