全ての技術進歩の始まり
ニュースでは、自動運転の実験や、ドローンの活用など、最先端の
テクノロジーに関する情報が、毎日、何かしら報道されます。それ
らのニュースを見ていると、技術が進化するスピードが、最近どん
どん加速していると感じてしまいます。
電話もカメラもゲームもSNSもパソコンも、すべてがスマートフォ
ン一台に入ってしまって、一体いつの間に、スマートフォンなしで
暮らせなくなってしまったのかと、驚いてしまいます。
iPhoneが初めて米国で発売されたのが、2007年のことです。わずか
10年ちょっとで、世の中の流れが大きく変わりました。
10年前に「歩きスマホ」を予測できた人が果たして何人いるでしょ
うか?まさに予測不能です。
つまり、テクノロジーの進歩するスピードがこれまでと違うのです。
「スマートフォン一台に電話もカメラもゲームもSNSもパソコンが、
入ってしまっている」について、それがどのような流れで、そうな
ったのか?
齋藤和紀さんの「シンギュラリティ・ビジネス AI時代に勝ち残
る企業と人の条件」を読むと丁寧に説明がされてあります。
詳しくは、実際に本を手に取ってもらうことにして・・・
個人的に第二章「爆発的進化で起きる、六つのD」が私の一番のお
気に入りでして、それについて引用しながらですが、多少説明させ
てもらいます。
第二章の中でも特にお気に入りが、【全ての技術進歩の始まり「デ
ジタル化」】です。
1 デジタル化(Digitalization)
2 潜行(Deception)
3 破壊(Disruption)
4 非収益化(Demonetization)
5 非物質化(Dematerialization)
6 大衆化(Democratization)
上記が、Xプライズの主催者であるディアマンディスが提唱する
「エクスポネンシャルの6D」です。
ディアマンディスは、物事がエクスポネンシャルに成長するとき、
その多くのケースで「D」の頭文字を持つ六つの事象が連鎖反応的
に起こるといいます。
全ての技術進歩の始まりは「デジタル化」とは?
(写真とカメラを例に説明します)
デジタル化によってイノベーションがスタートした例でわかりやす
いのは、「写真」でしょう。
フィルムで撮影して現像し、紙焼きで保存されていた写真は、ある
ときからデジタルデータとなりました。
フィルムや紙という物質的な制約から解き放たれたわけです。
写真がデジタル化した当初、それが主流になると考えた人はあまり
多くはなかったでしょう。
市場に出回り始めたデジカメを見て、「こんなものでは本格的な写
真は撮れない」「オモチャみたいなものだ」と思い、むしろアナロ
グ写真のすばらしさを改めて認識した人たちも大勢いたはずです。
ところが、最初はデジカメを「大したことないじゃないか」と失望
していた人々が、「これは思っていたよりもすごい」と気づく瞬間
が訪れます(潜行と破壊)。
そして、写真のデジタル化によって、多くの会社はフィルムという
収益源を失いました(非収益化)。
また、かつては「現像」にもお金がかかっていましたが、いまはそ
のプロセス自体がなくなり、写真を撮ってすぐにSNSなどにアップ
し、みんなに見せています(非物質化)。
更に、デジタルカメラの普及によってフィルムを使う従来のカメラ
は消えましたが、それだけではありません。
次の瞬間には、そのデジタルカメラも姿を消し、スマートフォンで
使うアプリの一つになってしまいました(非物質化)。
しかも、アプリ化した機能は、かつての「機械」よりもはるかに安
く手に入るようになりました。
カメラのように昔は富裕層しか手にできなかった高価なモノやサー
ビスが、非収益化し非物質化による当然の結果として、誰にも手に
入るものになってしまったわけです(大衆化)。
カメラがデジタル化されることにより写真もデジタル化になる。
カメラが、スマートフォンの一つのアプリとなり、写真の現像とカ
メラの生産で財を築いた企業もなくなり、写真とカメラが誰もが手
軽に使えるものになったしまった。
以上のように書いていくと、確かにその通りです。しかも、いつの
間にかに、そうなっていたわけです。
このことを科学技術のエクスポネンシャルな進化と呼ぶのです。
しかも、その進化により社会も大きく変わっていくわけです。
齋藤和紀さん「シンギュラリティ・ビジネス」
AI時代に勝ち残る企業と人の条件
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