ヘアケアのニーズを捉える
日本の人口構造を考えれば、必然的に高齢者が多くなるので、高齢
者向けの商品やサービスを提供する企業が増えてくるのは簡単に想
像がつきます。美容業界も美の追求ばかりではなく、「若返り(ア
ンチエイジング)」を促す商品が多くなってきました。
毛髪、頭皮への関心は今までもあったわけですが、関心が高くなっ
たような気がするのは、あくまでも人口構造の変化が原因です。
すでに、日本人女性の3人に1人が65歳以上であり、日本人全体で
は、4人に1人が65歳以上となっているのです。
2020年には、女性に限って言えば、2人に1人が50歳以上になるの
です。
極めつけは、75歳以上の人口(1770万人)が、65歳から74歳人口
(1764万人)を上回っています(2018年)。
つまり、高齢者がより高齢化する時代に突入しているのです。
そして、2025年にはおよそ800万人いるといわれている団塊世代が、
全て75歳以上になるのです。
これだけの事が分かっているわけですから、高齢者向けのビジネス
にチャンスがあることは明白です。
美容というよりは、健康が大きなテーマになる。
内面ばかりではなく、外見も若くありたいと考えるのは誰でもそう
です。
歳を取ると、髪の毛は白髪になり、薄く、細く、そしてボリューム
もなくなる。
誰だって、白髪は嫌だし、薄毛だって嫌だし、頭皮が透けてくるな
んて考えられません。
来年には、女性の2人に1人が50歳以上になるのですから、ヘアケ
アのみならず、ボディケアにもニーズは高まることでしょう。
改めて、前回の「ヘアケア市場に関する調査」について考えみまし
ょう。
データを見ると、「ヘアケア剤(52.6%)」と「発毛・育毛剤(15.3%)」
を合わせると、67.9%になります。
約7割の人が、ホームケアをしていることになります。
残りの約3割の人が、薄毛に関して何らかの施術を行っていること
になります。具体的には、増毛やかつらです。
ちなみに、発毛・育毛専門店は、頭皮のケアや増毛を最初は勧めて
きますが、最終的に売りたいのは、かつらです。
話を最初に戻すと、「ヘッドスパに興味を持つ人は多いが、実際に
お店で体験する人は、2割以下にとどまる」とありました。
以上のデータを見てみても、実際はそれよりも低いのかなと思いま
す。
美容室で何らかのヘアケアメニューをやる人はごくごく一部です。
実際には、単発のメニューとしてやっていけているお店は殆どない
ように思えます。
トリートメントやヘッドスパを美容室では、どのような形で展開し
ているかご存知ですか?
あくまでも、オプションサービスにしかすぎません。
オプションサービスとは、ヘアカラーやパーマをかけるお客に、
「ついでに、トリートメントやヘッドスパはどうですか?」とアプ
ローチするだけです。
それにより、単価を上げるというやり方です。
そもそもが、単価を上げるという発想からでしかなく、お客のニー
ズを捉えるという考え方でやっている美容室はありません。
ニーズや関心があると言っても、そのニーズを掴まなければ、全く
意味がありません。
もう何度となく書いてきましたが、経営イコール技術の考え方では、
上手くいくことはありえないのです。
ヘッドスパのニーズを捉えることが正解なのに、美容室は、ヘッド
スパのやり方にこだわります。
せっかくのニーズのあるものなのに、こんなやり方をしていては、
他がドンドン奪っていくことでしょう。
市販のヘアケア商品や育毛剤に売り上げを、もっていかれて終わり
でしょうね。
最近読んだお勧めの本です。
永井孝尚さん「なんで、その価格で売れちゃうの?」
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