「自分さえ良ければ」はマズイ
現在美容室は、「二極化」が進んでいます。大きく分けると、個人
経営美容室と低料金大型チェーン店(カットやヘアカラー専門店含
む)です。どちらが、良いとか悪いという話をしたいのではありま
せん。
美容メーカーの営業マンの私はとくに、個人経営の美容室を相手に
しています。
個人経営美容室が、今後どのようにお店を展開していくべきかを、
日々勉強会で発信しています。
違う業界の話ですが、外食産業でも今後ますます、値段の「二極化」
が進むだろうと言われています。
これは、堀江貴文さんの新刊「疑う力」で取り上げられています。
「価格競争」のウソと題して、今後、和牛を叩き売りするような
「安売り厨」は淘汰されると結論づけています。
・外食産業では価格の「二極化」がますます進む
・薄利多売のビジネスしかできない業者は淘汰される
・「レア品」の価値は幾何級数的に上がっていく
つまり安売りを考えることは、「集客力=価格」と思っているバカ
だとも言っています。
このような考え方は非常に参考になります。
美容室の経営を考えた場合、個人経営でも安易に安売りをはじめる
ところが多いからです。
普段は、「技術の安売りなんかしない」と豪語している割には、あ
っさりと安売りに走る始末です。
別にそれが悪いといいたいのではなくて、何も考えナシに行動をし
ているところを指摘したいわけです。
お店としては、来店するお客を確保できるし、お客としても払う料
金が安くなることを悪く思う人間なんていないのだから、お店とお
客は、納得するでしょう。
ですが、美容メーカーやディーラーは、美容室から「商品を値引き
しろ」だの「甲単位ではなくバラで売れ」だのとかなりのしわ寄せ
がきます。
結果、美容室専売と謳っていた美容メーカーの商品は、すべてが美
容室よりも低価格でドラッグストア等で販売されるようになる。
美容メーカーもバカではないので、ある程度美容室で商品を紹介し
てもらい、認知度が上がってきたところで、一般市場で販売するや
り方をするわけです。
しかも、美容室よりも安い値段で。
値引き出来るってことは、実際にはいくらなのか?と美容室は、疑
問に思わないのかと考えてしまいます。
その時だけでも、「安く仕入れることが出来てしまえばそれでいい」
という考えなわけです。
つまり、「自分さえ良ければ」です。
このような自分の事だけしか考えないお店には、結果としてお客の
足は遠のきます。
「自分だけが儲けたい」という利己的なものは、論外です。
「この技術や商品で来店するお客を喜ばせてあげたい」
「髪の悩みを解決してあげたい」
というような利他的な動機こそが商売においては最も大事な部分だ
と思うわけです。
経営とは、お店、来店するお客、出入りする業者、すべての携わる
人間が豊かで幸せになれるようにしなければなりません。
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