当たり前でなくなるサービス


人口問題は、人口減少をもたらす出生数の減少、高齢者数の増加、
そして社会の支えてである勤労世代の減少です。人口構造の変化に
ともない、勤労世代の数が減少しています。


2017年には、日本人女性の3人に1人が65歳以上となり、全体では
4人に1人となる。更に、65~74歳人口よりも75歳以上の人口が上
回り、高齢者がより高齢化する時代にも突入している


2020年には、女性の2人に1人が50歳以上となる。

合計特殊出生率は改善されたとしても、出生数そのものは今後も減
少していきます。

ただ、人口減少で働き手が不足することを人手不足とイコールと捉
えるのは、どうやら間違っているようです。

確かに、日本の社会を支えている勤労世代・生産年齢人口の減少は、
大きな問題の一つです。

働く人の“絶対数”が減少しているので、各業種・職種で人手不足
が既に起きています。

しかし、日本の人手不足は局地的な現象で、建設業、宿泊業・飲食
サービス業、医療、福祉、運輸業、郵便業などのいわゆる「人手不
足産業」と、そうではない産業に大きな落差があります。
(厚生労働省職業安定局「人手不足の現状把握について(平成30年
 6月1日)」)

これらの分野別の分析を見ると、人手不足の原因・特徴は「労働者
時間が長く、給与水準が低い」(運輸分野)、「休日が少ない」
(建設分野)、「賃金が安い」(介護分野・宿泊業、飲食サービス
分野)とあります。

以上は、下記記事を参考にさせてもらっています。

人手不足は本当に「悪」なのか 騙され続ける日本人

記事にもありますが、人手不足は人口減少うんぬん以前の問題で、
過酷な労働条件にもかかわらず低賃金がゆえ働き手から敬遠される

という「雇用ミスマッチ」が大きな要因のようです。

つまり、「人手不足と人口減少は等しくない」ということ。


勤労世代・生産年齢人口の減少は、世の中のモノやサービスを提供
できる人間の絶対数が不足していくわけですから、今まで、当たり
前のように受けていたサービスも受けれなくなるかもしれません。

人手不足、人口減少、人口構造の変化が働き方を変えるのは、もは
や避けられない事実なのです。

社会を支えている勤労世代・生産年齢人口の減少が、何をもたらす
のでしょうか?

個人的に、とくに気になるのが、医療・介護の分野です。

高齢化で医療費の問題が言われていますが、カネの問題は本質では
ありません。

医療・介護に纏わる従事者が減っていくことで、適切な医療サービ
スを受けることが出来なるのです。

医師不足にはじまり、看護師、薬剤師、病院の事務スタッフ、救急
車のドライバー、救急隊員、病院を建設する人、医療品、医療機器
を開発する人、救急車を製造する人等々と、様々な職種の人とそこ
で働く人が支え合って、初めて、今の適切な医療サービスが受けら
れている
のです。

そして、2027年頃には「輸血用血液が不足する」と言われています

輸血用血液の用途は、事故や怪我には、わずか3.5%しかなく、残り
は、癌(40%)、心臓病、白血病等々だと言います。

現在、日本人の3人に1人が癌になる時代です。

2027年頃には、病院に行っても血液がなくて手術ができなことも有
り得る
のです。

これは医療分野の話ですが、医療に限った話ではありません。

土木・建設分野の人手不足もかなり深刻な問題なわけです。

災害が起こったときに、対処できるのは、この土木・建設分野の方
たちのみなのです。しかも、地場業者です。

地場の土木・建設業者は、年々減少しています。自分の街が災害に
あったとき、対応してくれる業者がいないかもしれません



ですから、様々な職種の人とそこで働く人が支え合って、初めて、
今の適切なサービスが受けられている
わけです。

どんな問題も他人事とはとらえずに、自分に将来降りかかることと
して問題意識を持つことは非常に大事なことだと思うのです



河合雅司さん「未来の年表(人口減少日本でこれから起きること)」
を読めば、更に詳しく人口問題に触れられています。



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