1万円選書「いわた書店」


当ブログで以前「ブックオフが地味に復活した」について取り上げ
ました。ブックオフは、得意とする本やCD・DVD・ゲームソフト
などソフトメディア以外に、新商材を導入し、更に、地域によって、
導入する新商材も切り分け、2年間で売り場改革を行い見事に復活
しました。


以下がブックオフ復活のニュース。

あの“ジリ貧"ブックオフが地味に復活した
2年間の売り場改革で脱「古本屋」の境地


このニュースは大変参考になりました。

お客の価値観やライフスタイルに合わせて、改めて「需要」を考え
直し、何をお客が欲しがっているかを考えた結果
だと思うのです。

こんなのが売れるのかな?っていうものが、今は売れたりします。

人それぞれに需要があり、また住んでいる地域によっても需要は違
っています。

どこに需要があるかは、人と地域によって異なるのです。


今回のブックオフが地域によって新商材の導入を変化させてきてい
るなら、以下の記事は、人に対して徹底的に需要を考えたものと思
い、紹介したいと思います。

北海道の小さな書店が思いついた「3000人待ち」のサービスとは

零細企業が生き残るには

「棺桶型社会」。強烈なインパクトを感じる言葉です。

この言葉は、少子高齢化がすさまじい勢いで進行している日本社会
の人口構成を意味するもの。かつては若い人口が多く、高齢になる
につれて人口が減っていくピラミッド型だったのに、現在では、高
齢者層が厚く大きく、若くなるにつれて人口が減少しています。

その様子をグラフにすると、欧米で使われる逆長三角形の棺の形に
なる。それが「棺桶型社会」と呼ばれる日本の実情です。

(中略)

しかし、どんなに厳しいなかにも活路は必ずあります。私は、得意
先と一緒に、活路を見出すためにギリギリまで頭を絞り、最後の1
滴まで知恵を出し合って話し合いを続けることを繰り返しています。

そうして見えてきた1つの答えが、手間暇を惜しまず、人の心に訴
えかけるというビジネス手法
です。

(中略)

注文殺到の「1万円選書」

「いわた書店」は北海道の砂川市にある小さな書店で、以前はご多
分にもれず、売上減少に四苦八苦していました。しかし、店主は、
「書店のプロとしてのスキルで勝負できないだろうか」と考え、
「1万円選書」というサービスを思いつきました。

お客はいくつかのアンケートに答え、同時に1万円を払い込みます。
そのアンケート結果(カルテと呼ばれている)に基づいて、店主が
そのお客さん1人のために、おすすめの本を約1万円分選んで届け
るのです。

もともと「売れる本」ではなく「売りたい本」を置くようにしてい
たという心底本を愛する岩田さんだからこそ、思いついたアイディ
アといえるでしょう。

このサービスは口コミで広がっていき、ついにはNHKが『プロフェ
ッショナル仕事の流儀』でとり上げるまでに。「運命の1冊、あな
たのもとへ~書店店主・岩田徹」が放送されると評判はさらに高ま
り、いまでは「1万円選書」は抽選で当選した人限定、という人気
ぶりです。

アンケートはA4用紙3枚におよぶ詳細なもの。これを書くことで自
分を見つめなおす機会を得たという感想も多いといいます。さらに、
送られてくる本には岩田さんからの手紙も添えられており、それが
お客に新たな感動を呼んでいます。

カルテを読み、そこから見知らぬお客の思い出や人間性を読み取っ
て本を選んでいく、店主の手間暇がどれほどのものであるかを思う
と、その努力と、本に対する愛情に強く胸を打たれます


届く本は多彩で、ふだん、自分では手にとらないようなジャンルの
本も含まれていることが多く、そこから新たな本との出会いを提供
するという効果もあります。

めんどうくさいから、手間暇がかかるから……と尻込みするばかり
では、会社の将来は開けていきません。むしろ、人がいやがるめん
どうくさいところに積極的にお金を使ってみましょう



以上引用。


手間暇を惜しまず、人の心に訴えかけるというビジネス手法

これって至極当たり前の事ですよね。

こういう当たり前の事を聞けば聞くほど、我社の社長の教えが頭を
よぎります。

それは、「ごく当たり前の事を他人よりも効果的に行え」です。

これこそが、成功パターンであると教わりました。

ちょっと前の記事、「人気者になるにはどうしたらいい??」で取
り上げましたが、前田裕二さんも以下のような発言をしていました。

面倒なことの方がコスパが良いって事をみんな知らない

面倒で有ればあるほど競争相手が少ないからコスパが良い


手間暇を惜しまず、面倒なことは、難しいことでも、誰でも簡単に
出来ないことではありません

むしろ易しくて簡単なことばかりです、ただ面倒なだけです。

誰でも出来る簡単なことだけども、その簡単なことを誰もやらない
し、やり続けられない。簡単な事だからこそ大事に出来ないし甘く
みている



「手間暇を惜しまず、人の心に訴えかける」の極めつけが、「いわ
た書店」の「1万円選書」というサービスだということです。

面倒な手間暇をかけることで「3000人待ち」もの人気サービスを生
み、しかも安定的な経営軌道にのせている。

記事を読めば、ごくごく当たり前の事なんです。

真心を込めて徹底的にお客の立場や目線に立ち、どうやったら相手
が喜んでくれるかを、兎にも角にも手間暇惜しまず続けた結果だけ
だと思うのです。

選書には、膨大な時間が費やされています。その時間を掛けること
こそがお客の心に訴えかけている。そして感動につながる


この選書の本質は、選書する「時間」にあり、そこに価値があるの
だと気づかせてもらいました


「手間暇を惜しまず、人の心に訴えかけるというビジネス手法」の
見事なまでのお手本が、一万円選書(いわた書店)です。


一万円選書(いわた書店)


本日紹介した記事は、三條慶八さんによるもので、三條さんの「社
長のお金の基本」も合わせて読みたいところです。




【関連記事】
ブックオフが地味に復活した

人気者になるにはどうしたらいい??

コメント

非公開コメント