努力の成功体験は「サンプル1」


中野信子さん「努力不要論」の中に『努力の成功体験は「サンプル
1」にすぎない』があります。「努力は報われる」という言葉にあ
るように、やはり努力は大切なことであり、頑張らねば、と思わせ
てくれるものに、いわゆる「成功本」があります。


かくいう私もこの「成功本」をよく読みました。そして、実践する
ことなく、読んだだけで終わっていました。

営業関係の本はよく読んだものです。すべて捨てましたが・・・

確かに、読むとなんとなく、気持ちが高ぶって、やる気にもなりま
したし、励まされもしました。

まあ、実践しないので、営業成績も上がることもないわけで。

でも、今思えば、実践しないというよりも、実践できないというの
が、しっくりきます



どういうことかと言えば、中野信子さんの「努力不要論」に以下の
ように書かれてあります。



以下に引用。


成功本には著書と同じことをして失敗した人の事例や、実践するこ
とのデメリット、ネガティブ要因が書かれていないものが多いです
よね。

だから、たまたま成功した人がそうだったという「サンプル1」の
話でしかありません


すでに成功を収めた人は「やればできる」「努力はウソをつかない」
というようなことをおっしゃいますが、相手の資質によっては、で
きなことがあります。

同じことをしてもうまくいかない人というのは存在するのです。


以上引用。


以前、三橋貴明さんが「成功の要諦」の話をされていました。

成功には、三つの要素が必要だと。

それは、「継続」と「蓄積」そして、「」だと。


つまり、「継続」と「蓄積」にスポットを当てすぎているのが、成
功本なのでしょう。

「運」というのは、必ずありますからね。


中野信子さんも同じように、「偶然の要因についても、努力を重視
した成功譚をつくろうとするあまりに、軽視されて語られないこと
のほうが多いようです
」と書いています。


確かに、成功本は、他人に希望を与えるという意味では、“アリ”
かもしれません。

更に言えば、泥臭い精神論や根拠のない人生訓や名言のほうを、消
費者は、好むのかもしれません



ですが、成功へ導く努力の在り方というのは、人間一人一人が違う
ように、一般化できるものではないと思うのです。

どっかで、「何かこの世に成功法則が存在する」と思い込んでいる
のかもしれませんね。

物事の上達のための“やり方”や“練習法”に固執する人が多い傾
向にあるのも厄介です



以前にも記事にしましたが、「一万時間の法則」がそれに当たるよ
うに思います。

最初から「一万時間の法則」が存在したわけではなくて、多くの人
間が認めるレベルに到達している人の共通点みたいなものでしょう


すべては後付けでしかありません


法則とかやり方にスポットが当たり過ぎだし、努力と成功を無理や
り結びつけようとしている感じがしてなりません。


「太ったので痩せないといけない」と言う人は多いですよね。


この解決策が、何かと言えば、「痩せること」です

ところが、巷に溢れるダイエット本の多さが、法則とやり方を消費
者が求めているのがよくわかります。

同じやり方をしても、人それぞれ、痩せる人もいればそうでない人
もいるわけです。

だから、本気で痩せる気持ちがあるかどうかが問題なわけです。

でも、気持ち次第とか言ってしまえば、それで終わりですからね。


見城徹さんの「読書という荒野」の中に、既に成功を収めている人
の過去の努力の部分が語られています。

但し、この記述をもってこの本の内容を決めつけているわけではあ
りません。そこは誤解のないようにお願いします。

あまりにも、わかり易い成功者の努力が書かれてあるので。



以下に引用します。


僕が親しくしている起業家たちは、会社を成長させる過程で、夢や
希望をむやみに語らず、圧倒的努力で現実と格闘していた

楽天の三木谷浩史は創業間もないころ、2日に1足、靴を履き潰し、
楽天に出店してくれる個人商店を探し回った。

サイバーエージェントの藤田晋も、デジタル広告を出稿してくれる
会社を探すため、毎日100軒、飛び込み営業を行った。

GMOインターネットグループの熊谷正寿は、黎明期のインターネッ
トビジネスに着目し、競合に先んじるため、数日間ほとんど睡眠を
取ることなくサービス・システム構築に専念した。

ネクシィーズグループの近藤太香己はベンチャーという言葉もない
時代に、高校を中退して50万円を元手に19歳で起業して営業に明け
暮れた。いつ眠ったか覚えていないと言う。

Avexの松浦勝人は上大岡の貸レコード店でアルバイトをしながらユ
ーロビートを聴きまくり、世界のダンスミュージックに日本中の誰
よりも詳しくなっていた。

彼らを見ていると、現実と格闘している最中には、夢や希望を語る
暇などないことがよくわかる。


以上引用。


これこそが、後付けってやつです。これ以上の努力をしている人間
なんて腐るほどいるはずです。憶測ですいませんがね。

でも、実際には努力が報われない人もいる。

これって、やはり、「」や「偶然の要因」によるもの。

ただ、成功している人に共通しているのも「圧倒的努力」も、また
事実
なわけです。

今よりも、いい状態にするには、やはり常日頃からの努力の積み重
ねしかないのです。これもまた事実。



どのような「努力」をしていけばいいのかを、中野信子さん「努力
不要論」には書かれてあるので、是非一度読んでみて下さい。


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