将来の準備よりもまず行動する


これから、AIが仕事のあらゆるところに導入され、人間が機械に置
き換えられる時代が始まります。しかし、教育システムは、いまだ
に「ロボットのような人間」を一生懸命、育てようとしているよう
に見えます。


そこで、時代の流れに則した教育システムが求められていることか
ら、アメリカの新しい教育システム「アンスクーリング」を前回の
記事で取り上げました。

「アンスクーリング」についての詳細は、以下を読んでください。

アンスクーリング


本日の内容も、伊藤穣一さんの「教養としてのテクノロジー」より
紹介せて頂きます。




今までにない教育システムであり、アメリカでは「アンスクーリン
グ」にどのような反応が起きているのでしょうか?


日本人の価値観からすれば、親心としてショッキングなやり方にし
か見えないでしょう。

実際に、アメリカでもアンスクーリングは賛否両論だというのです。


あまりにも子どもが自由な様子を見て、強い拒否反応を示す人は、
アメリカのみならず、どの国でもあります。

どの国でも、子どもに規律を教えて教育しないと、社会に出たとし
ても役に立たないと考える人が多くいます。

ところが、アンスクーリングに舵を切っている親は、そんなことを
心配しない
のです。

むしろ、学校に行かせることを心配しているといいます。


私が最も興味深かったのが、アンスクーラーの親には、先生として
学校で教えていた人がたくさんいるということ
です。

つまり、学校の先生として学校教育の問題を身に持って体験してき
て、自分の子どもたちにその経験をさせたくない
わけです。

そして、先生の仕事を辞めてアンスクーラーになっているのです。


さて、アンスクーリングを経た子どもたちは、その後の進路はどう
だったのでしょうか?


ほとんどのアンスクーラーの子どもたちは自分の第一志望のキャリ
アに進学しています


アンスクーラーの子どもたちは、自分が何をしたいのか、それがど
うやったら実現できるのか、子どものころからしっかりと学んで知
っているから、第一志望に進学しやすい
と考えられています。


ただし、アンスクーリングを経験した子どもたちが全員、一流大学
に入学するかといえば、それは「人によりけり」です



何をもって「成功」とするかは、人それぞれですし、それぞれのア
ンスクーラーの子どもの持っている世界観によって違うでしょう。

アンスクーリングで育った人は、一括りに語れないほど、多種多様
な道に進んでいると言えるでしょう。


しかしながら、親というものは「子どもたちのいましていることは、
将来に向けての準備じゃないと意味がない
」と考えるものです。

親は子どものどんな「遊び」でも「勉強」に結びつけてしまいます。


将来お金がたくさんもらえるように
将来好きなことができるように


というように、「いま」ではなく、「未来」を生きることを親は強
要してきます。


ですが、将来に向けての準備のための教育を受けると、大人になっ
ても、将来のための準備が一生続くような意識を持つようになって
しまいます



最近、私も自分自身に対してもそうだし、他人に対してもそうです
が、この「準備」とは、一体何のための「準備」なのかと疑問に思
うのです。

この「何事にも準備が必要」という概念が、行動をさせなくしてい
るのではないかと私は考えます



実際は、物事というものは、やってみてから、そして、行動してみ
てから、分かることばかり
です。

ですが、大人になると、どんな物事に対しても、分かってからやる
というスタンスになっていきます。

初めて経験する物事をやる前から分かる人は、地球上に存在しませ


やってみて、行動してみて、はじめてどのような知識が必要かを知
ことになるのです。

自分で気づいて知識の必要性を感じるので、勉強も進んでやります。

最初から、必要な知識を教えたとしても、その必要性に気づけるの
は、行動を起こした人のみ
です。

大半の人は、知識を先に教わるので、失敗しないと勘違いして、行
動してみて、ちょっとのつまづきや失敗に行動をやめてしまいます


そして、口癖が「あれはやってみたけど上手くいかなかった」です。

そして、益々、行動を起こさなくなります。


しかし、アンスクーリングは、どうやらまったく逆のようです。

アンスクーリングは、子どもが経済を支える人間になるよりも、自
分の中で幸せを見つける、とういうことが基本的なアイデアとされ
ています。

そして、自分の人生における「生きがい」を考えることが、本来の
アンスクーリングの哲学であるのです。


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