欲望する力を失っているバカ
美容師さんは技術屋ですから、技術に関する事を教えると行動に移
して、実践してくれます。ところが、取り扱う薬品や毛髪の知識と
なると、進んで教わることはしてくれません。技術は勝手にやって
くれます。しかし、技術の裏付けとなる理論の勉強は、あまり取り
組んでくれません。
そこで、本日は、勉強すること、教育を受けることについて、改め
て考えてみることにしました。
参考にしたのが、堀江貴文さん西野亮廣さんの「バカとつき合うな」
です。
「バカとつき合うな」より「欲望する力を失っているバカ」につい
て一部以下に引用させて頂きます。
ぼくのゼロ高では、この座学中心主義を破壊します。
座学ではなく、行動せよ。こういうふうに行動すればいいんですよ、
と教室で教える行動学ではない。
文字通り実際に行動することを重視します。
ロケットが作りたい子どもは、いますぐに作ればいい。
我慢して待っている必要はないんです。
ゼロ高では、ロケットを開発したい子どもがいれば、ぼくがやって
いる開発プロジェクトにすぐに現場参加させます。
まったく知識がいらないわけではない。でも本当に必要な知識がな
にかなんて、実際に行動してみないと見えてこないものです。
ロケットの軌道計算に高等数学が必要となれば、そのとき必死で学
習すればいい。
そのほうが、「いつか使うかもしれないから」と言われて自分で必
要性を納得しないまま学習したものより、ずっと深く定着します。
以上引用。
私は、美容室向けに店内で勉強会を実施しています。
勉強会の目的は、もちろん、自社の商品を店内で使って頂くためで
あり、店内で営業に活かして、美容室の売上を上げるためです。
勉強会を進めるにあたり、「本当に必要な知識がなにかなんて、実
際に行動してみないと見えてこないものです」と引用の文章にあり
ましたが、この部分が本当にネックになっています。
とにかく、行動してくれないのです。
もちろん、大前提として、こちら側の力不足は認めます。ですが、
それを差し引いても、とにかく行動しない。
教えている美容室が考えているのは、「ある程度、分ってからやり
ます」ということです。
この「ある程度」って何だろう?といつも不思議に思います。
ある程度も何も、実際に行動してみないと自分が分かっているかど
うかさえ分からないものなのに・・・
ところが、大人になると、みんな小利口になるので、理解してから
行動しようとします。
実際は、物事というものは、やってみてから、そして、行動してみ
てから、分かることばかりです。
ですが、大人になると、どんな物事に対しても、分かってからやる
というスタンスになっていきます。
初めて経験する物事をやる前から分かる人間なんていません。
やってみて、行動してみて、はじめてどのような知識が必要かを知
ることになるのです。
自分で気づいて知識の必要性を感じるので、勉強も進んでやります。
最初から、必要な知識を教えたとしても、その必要性に気づけるの
は、行動を起こした人のみです。
大半の人は、知識を先に教わるので、失敗しないと勘違いしてしま
います。
失敗しないと思っているからこそ、行動してみて、ちょっとのつま
づきで行動をやめてしまいます。勉強もしなくなります。
そして、口癖が「あれはやってみたけど上手くいかなかった」です。
そして、益々、行動を起こさなくなります。
この現象は、美容室特有のものかと考えていましたが、どうやら堀
江さんも指摘しているように、学校教育の影響があるのではないか
と、最近では考えるようになりました。
そして、どうやったら行動してくれるかを考えて勉強会を進めるよ
うになりました。
ただ、「行動してください」では、相手は動いてくれませんから。
堀江貴文さんの「ゼロ高」と伊藤穣一さんの「教養としてのテクノ
ロジー」で紹介されている「アンスクーリング」は、どちらも、こ
れらの教育システムの指針になってもらいたいものです。
【関連記事】
「好奇心をもって没頭する」
「アンスクーリング」
コメント