勉強をしていて詰まるポイント


美容室向けの店内勉強会を行っていますが、こちら側は、お店を伸
ばす思いで必死にやっているのですが、勉強会に参加している方々
に共通することがあります。それは、何か、教わりながら「いつか、
背中を押してくれるような“内容”を教えてくれる」という、なん
となく待ちの姿勢が感じられます。


勉強とは、そもそも人から言われてやるものではありません。

英語のスタディ(study)は、ラテン語のストゥディウム(studium)に由
来しています。

その意味は「好奇心をもって没頭する」ということ。

ですから、受動的な態度ではなく、能動的な態度で臨むものが勉強
なのではないでしょうか?

そもそも、勉強というものを捉え違いしているようです。

社会に出ると、「答え・解」の出ない問題を解かなければならない
ことが大前提となることを理解していない


つまり、学校で受けてきた教育による影響で、常に正解か不正解を
求める姿勢が多々あります


これは本人が、思っている以上に非常に厄介な問題です。

きっと何らかしらの答えがあるはずだと思い込んでいいます。

答えは、自らが導き出していくものであり、自分なりの答えを導き
出せるようにするには、やはり勉強が必要なわけです。


勉強は、あくまでも「自分の知を拡大していく作業」であり、それ
は、あくまでも能動的です


自らが答えを導くための「基(もと)」を教わっているというより
も、答えを聞きに勉強会に参加している向きがあります。



勉強会で教わったことを基にして、各店舗が、詰まっている所や取
り組めていない所、壁になっている所を、まず見つけ、気づく必要
があるのです。

そして、壁に気づいたならば、それを乗り越えなければなりません。

その乗り越えるときに必要なモノを勉強会で提供しているわけです。


ですが、実際は、自らが「壁を乗り越えようという伸びる心」を持
ち合わせていな所が一番の問題点であり、しかも全員の方々が勉強
しながら詰まっている最大のポイントである
と言えます。


伸びているお店とそうでないお店の相違点を挙げると以下のように
なります。


伸びているお店は、常に自分の弱点を見つけて、それを破っている

そうでないお店は、自分は何もしないで、ただただ“ボォ~っと”
天からお金が降ってくるのを待っている



そうでないお店には、先程から書いているように、受動的な態度か
ら能動的な態度へ改めてもらうように勉強会で取り組みます。

そして、自分で答えを導き出せる力をつけてもらうしかありません。

では、伸びる心を持っている人に、勉強会で何を教えていくのか?

一言でいうと、「理論」になります。

どれだけヤル気、伸びる心を持っていたとしても、パーマのかかる
原理とパーマ液の性質・特徴を教わっていなければ、いくらワイン
ディングという技術を持っていたとしても、パーマを思うようにか
けることはできません。


更に、パーマがかからなかった場合に、何故パーマがかからなかっ
たのか、その失敗の原因も何も解らないのです



残念ながら美容業界には、体系付けられた学問が存在しません

ですから、美容学校で教わる内容では、パーマ一つとっても、解け
ない問題ばかりなのです



私が行う勉強会では、美容の技術に関するあらゆるトラブル・失敗
をなくすために毛髪理論、パーマ液といった薬品の性質・特徴等々
を勉強しています。


美容師は、美容の技術をやっていく中で、様々なトラブル・失敗に
直面します。

その一つ一つが、何故起こってしまったのか、つまり、明確な原因
を導き出せずに解決策はあり得ません



この理屈が理解できなければ、一生美容メーカーの持ってくる新商
品とやらに翻弄されるだけです。

商品で解決することは、ほとんどありません。


何故、パーマがかからなかったか?

何故、カラーが染まらなかったか?


これが、商品にのみ原因があると思っているうちは、美容メーカー、
ディーラーの営業マンにカモにされるだけ
です。

根本的な解決策として、理論的な勉強をしなければならないのです




教育を語る上で、堀江貴文さんの「バカとつき合うな」で紹介され
ている「ゼロ高」と伊藤穣一さんの「教養としてのテクノロジー」
で紹介されている「アンスクーリング」は、どちらも、これらの教
育システムの指針になってもらいたいものです。







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