ヒトのプラスチック摂取?
長野県軽井沢町で開かれた20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会
合は6月16日、海のプラスチックごみ対策の国際枠組み構築に合意
し、閉幕しました。各国が削減に自主的に取り組み、内容を定期的
に報告して対策を共有することで海の汚染低減を図るとのこと。
海のプラごみ対策に特化した国際的な枠組みができたのは初めて。
但し、削減の数値目標は盛り込まれず、実効性の確保が課題。
それぞれの国が自主的に取り組んで内容を共有する仕組みで、ごみ
の排出自体を減らす対策には踏み込んでおらず、世界の海を汚染す
るプラごみが確実に削減されるかどうかは???
それぞれの国に一存するということらしい・・・
以前「環境ホルモンはどうなったのか?」という記事を書きました。
海の「プラスチックごみ」も環境ホルモンのひとつ捉えていいので
しょうか?!
環境ホルモンは、ごく微量での影響であり、複合的な作用も加わる
ので、直接的に因果関係を証明することは困難とされ、いっそうの
研究を行わねばならないといいます。
実際に海洋生物には多大な影響が出ている。では、人間には?
ということで、以下のニュースが気になります。
ヒトのプラスチック摂取、毎週クレジットカード1枚分=調査
プラスチック公害は環境に広く拡散しており、人間は1週間にクレ
ジットカード1枚分に相当する5グラムを摂取している可能性があ
るとの研究結果が発表された。
これは、世界自然保護基金(WWF)の委託により豪ニューカッス
ル大学が実施した調査で、他の52件の研究結果に基づいている。
最大の摂取源は飲料水だが、丸ごと食べることの多い甲殻類の消化
器内に入っているプラスチックも一緒に食べてしまうことも、大き
な摂取源になっているという。
リポートは、「2000年以降、世界ではそれまで生産された総量
に相当するプラスチックを生産しており、その3分の1が自然界に
流出している」と指摘。平均的な人間が1週間に摂取しているプラ
スチック分子は、水からだけでも1769個に達している可能性が
あるとした。
以上引用。
これを受けて、私は以下のツイート。
しかも美容業界では、プラスチック樹脂が含まれるパーマ液やカラー剤を直接、頭皮や毛髪に塗布しているという事実。美容業界の一員として何とかしたいと取り組んでいます。
— arusara (@arusara_jp) 2019年6月12日
ヒトのプラスチック摂取、毎週クレジットカード1枚分=調査 https://t.co/IAAQH0PBAV
美容業界に携わり、約20年プラスチック樹脂の問題に取り組んでき
て、「ヒトのプラスチック摂取」という表現のあるニュースは初め
てでした。
プラスチック樹脂が、ニュースに取り上げられて、“嬉しいのやら
悲しいのやら”でございます。
プラスチック樹脂の毒性については、以前から言われていましたが、
人間が摂取している事は、あまり言われていませんでした。
摂取ではありませんが、美容業界では、プラスチック樹脂が含まれ
るパーマ液やカラー剤を直接、頭皮や毛髪に塗布しているという事
実があり、これが大問題なのです。
上記のニュースは、「ヒトのプラスチック摂取」の報告であり、人
体への影響については記載がありません。
人体への影響について、近年問題となっている「化学物質過敏症」
があります。ご存知でしょうか?
化学物質過敏症は、平成21年に厚生労働省によってレセプト(診療
報酬明細書)に記載できる病名リストに登録されました。
ある化学物質を一度に多量に、または少量を慢性的に浴び、許容量
を超えたときに突然発症するものです。
化学物質の発生源は、壁紙の接着剤、防虫剤、たばこ、芳香剤に消
臭剤、香料など、日常生活の中に無数に存在します。
症状は頭痛や倦怠感(けんたいかん)、不眠など多様で、これとい
った特徴はありません。
今年になってから、テレビでも取り上げていました。
NNNドキュメント
「化学物質過敏症~私たちは逃げるしかないのですか~
確かに、環境ホルモンを直接的に因果関係を証明することは困難な
のでしょうが、実際に、影響を受けている人が存在します。
まずは、環境ホルモン、合成化学物質についての正しい知識を深め
て、その影響で苦しんでいる方々がいることを知らなければなりま
せん。
自分には関係のないことかもしれませんが、現代に生きる我々はい
つ何時、この化学物質過敏症を発症するかは未知数なのです。
まずは、その存在を知ることから初めてみてはいかがでしょうか?
池内了さん「科学は、どこまで進化しているか」
この本の中で「環境ホルモンは、人体にどんな影響を与えるか?」
というテーマで環境ホルモンを取り上げています。
【関連記事】
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「科学リテラシーを上げろ」
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