集客と失客は隣り合わせ
美容室の運営を考えると、「集客」と「失客」は永遠のテーマであ
ります。これには、“これだ”という正解はなく、常に、試行錯誤
を積み重ねてやっていくしかありません。
美容室の「集客」と「失客」についての私の基本スタンスは、毎度
書いておりますが、「失客をいかに減らすか」です。
これは、「集客」にいくら“力”を注いでも、来店させて簡単に
「失客」させては意味がないからです。
つまり、「ザル」では意味がないのです。
集客のために「広告」を大々的にやれば、もちろんお客は来店しま
す。
ですが、ほとんどの美容室が「集客」にこそ“力”を注ぎますが、
「失客」には、口で言う割には無頓着なのです。
更に、ある程度黙っていても美容室には、お客は“勝手に”来店す
るのです。
だから、来店率だの、単価アップなどと考えなくても、失客させさ
せなければ、売り上げは上がっていくのです。
ただ、私が話している「失客」ですが、これは、あくまでも美容室
に来店してからの話なのです。
ところが、考える人はもっと突っ込んで考えるんだと改めて考えさ
せてくれました。
それは、西野亮廣さんです。
美容室に限った話ではありませんが、集客がかえって失客を招くこ
とも有り得るということなのです。
西野さんは、失客と言わずに「排除」という言葉を使っています。
「集客」と「排除(失客)」の関係を以下より紹介します。
西野亮廣さん「新・魔法のコンパス」
以下に引用。
第2章 広告
「インスタ映え」に含まれているのは「集客」と、「排除」だ。
(前略)
何かにつけて、「オシャレ」を追い求めてしまうボクらだけど、た
とえば、店内をオシャレにしすぎたり、ホームページをオシャレに
しすぎたり、ポスターをオシャレにしすぎたりしてしまうと、「私
なんかが中に入っても大丈夫なのだろうか? 笑われないだろう
か?」という、『自分のセンスに自信がない人』を不安にさせてし
まうことを忘れちゃいけない。
そして、そういう人達のほうが多数派だ。
『集客』というのは、「楽しめるかな?」「置いてきぼりにならな
いかな?」といった“不安を取り除いてあげる作業”だ。
「お客さんの安心を担保する作業」と言ってもいい。
たとえば、突如として、田舎に「インスタ映えするオシャレ店」を
出しても、そこに生まれるのは「私なんかが店に入ったら、恥をか
かないからしら?」という不安で、集客に繋がらない。
(中略)
集客活動をするオーナーに迫られている選択は「オシャレをとる
か?集客をとるか?」で、『オシャレ』を選んでしまうとオシャレ
感度の高いお客さんは呼べるけど、一方で、自分のセンスに自信が
持てないお客さんが離れてしまう。
オシャレには「排除」の力学が働くわけだ。
まとめ
☑ 集客とは、お客さんの“不安”をとり除く作業だ。
☑ オシャレには「排除」の力学が働く。
だから「集客」を選ぶのであれば、
「少しダサい」は受け入れなきゃいけない。
以上引用。
もうこれは、「目から鱗が落ちる」という表現がピッタリでした。
集客のために必死でやった、インスタや広告ポスター、そしてホー
ムページが裏目に出ているかもしれないとは・・・なんとも皮肉な
ものです。
どんな物事でも、表と裏、光と影があるように、諸刃の剣なのかも
しれません。
集客をするということは、同時に排除(失客)の力学が働くという
わけです。
集客のための、インスタや広告ポスター、そしてホームページも全
ては、“使い方次第”ということ。
どんな地域で、どんな人をターゲットにして集客をするか、考える
べきことは沢山あります。
私は一貫して、美容室の王道の集客は「口コミ」派です。
美容室に足を運んでもらい、いかに満足してもらうか。
だからこそ、「美容師さんが「人で見て通っている」というお客を
もっと集める努力をしなければならない」と思います。
その努力なくして、「口コミ」は成立しません。
そして、口コミによる紹介、つまり集客に繋がり、紹介したくなる
ようなお店ということは、失客もしないということになるのです。
ですが、良かれと思ってやったいた集客が、実は排除(失客)を招
いたとは・・・勉強になりました。
これも、お店側の一方的な思い込みではなく、お客さんの頭をどれ
だけ想像できるかという、「想像力の問題」だと気づかせてくれま
した。
【関連記事】
「技術者である前に経営者」
「使い方や扱い方に人間性が現れる」
「全国津々浦々に存在する美容室の悩みとは」
コメント