2018年度の理美容市場


矢野経済研究所は今年3月に発刊した「2019年版 理美容マーケテ
ィング総鑑」に関する概要を2019年6月27日、ニュースリリースと
して発表しました。それによると2018年度の理美容市場規模は事業
者売上高ベースで、前年度比99.6%の2兆1,382億円だった。


早速ですが、そのニュースリリースです。


理美容市場は前年度比99.6%の2兆1,382億円
~業界の全体的な価格改訂、店販・メニュー提案等を推進するも
 市場は微減で推移~


株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内理美
容市場を調査し、都道府県別や施術別の動向、参入企業動向、また、
将来展望を明らかにした。


1.市場概況

2018年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで前年度比99.6%
の2兆1,382億円
であった。

理容市場は若年男性を中心とした美容室需要や、低価格理容チェー
ンの利用が進み、ヘアカットなどに特化した実利的な施術メニュー
を重視する傾向が強まっている。

美容市場は付加価値型サロンと施術メニューやサービスを特化した
低価格サロンチェーンの2極分化が進行
している。

基本に立ち返り、技術や施術サービスのみならず、接客全体に磨き
をかけることで、付加価値に見合った適切な価格設定に回帰するサ
ロンもある。

また他の美容サービスとの協業を図り、相互の集客を促すなどの動
きも進んでいる。このほか、生産性向上の観点から、客単価アップ
のための強化策として、ヘアケアを中心とした店舗での物品販売を
推進していることなどから、市場規模は前年並みで推移している。


2.注目トピック

カラー専門店の成長と異業種を含め参入が活発化

理美容業界では、ここ数年来カラー専門の施術サービスを行う「カ
ラー専門店」の増加が顕著
である。

市販のヘアカラー剤と同程度の低価格ではあるが、仕上がりは専門
のカラーリストによる施術を実現している店舗であり、低価格志向
で一定以上の仕上がりを求める顧客層を中心に全国的な動きとして
注目されている。

大手や中堅の美容サロン運営企業のみならず、外食大手が出資する
異業種企業による参入もあり、全国、または地域的なフランチャイ
ズチェーン展開により拡大を図っている


また、こうした参入企業に対し商材やノウハウを供給することで、
業務用化粧品メーカーや美容ディーラー、経営指導を行うヘアカラ
ーコンサルタント企業も業容を拡大させている


実利的なカラー需要を重視する顧客層の増加を背景に、こうしたカ
ラー専門業態も出現している一方、カット専門サロンチェーンと同
様に、地域の個人サロンとして施術サービスを提供する同業者への
脅威にもなっている。


3.将来展望

2019年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで前年度比99.5%
の2兆1,279億円、このうち、理容市場は同99.4%の6,295億円、美容
市場は同99.6%の1兆4,984億円を予測
する。

理美容市場全体では、概して来店顧客の消費意欲が本格的に改善さ
れないまま、2019年10月に消費税率引き上げが予定されている


そのため、顧客サイドでは来店サイクルの長期化に加え、施術メニ
ューの費用対効果に対する冷静な見方が今まで以上に顕在化するも
のとみる。

また、理美容室における人材への投資や育成を通じて、個々の顧客
との関係を構築したワントゥーワンマーケティングに基づく店販強
化、付加価値の高いサービス提供による価格改定や施術メニューの
複合化によるサービス提供など、客単価上昇につながる施策も引き
続き業界の取り組む課題であるものと考える。


以上引用。


記事のリンクで飛んでもらえば分かりますが、2014年度からの売上
高が掲載されています。

2014年度から売上高は、ほぼ横バイです。ですが実際には、減少傾
です。

当ブログでも度々、美容業界の現状をあらゆる角度から説明してき
ました。

もちろん、売上についてもです。


日本は1997年以降GDPがほぼ横バイです。

所得の合計がGDPと言われています

ちなみに、「生産=支出=所得」となります。

となると、日本全体で増大しない所得のパイを奪い合っていること
になります。


理美容業界では、2014年度から売上高は横バイのようですが、とこ
ろが、2008年には売上高は2兆3千億台ありました



つまり、毎年微減を続けているのです。


しかも問題なのは、店舗数です。


理・美容室合わせると、平成に入ってから店舗数は、順調(?)に
増加しています。

細かく見ると、理容室は1998年をピークに減少傾向です。


店舗数と売上高が反比例状態なのです。

つまり、減少する売上を増加する店舗数で奪い合っているのです。


現在の美容室の流行が何か分かりますか?


ヘッドスパ?

ヘアカラー?

パーマ?


ずばり、“安売り”です(あくまで私の意見)。


「自らの技術を安く売ること」が流行になっています


私にとっては、その事を裏付ける市場データでした。


ならばこの現状をどのように解決していくかは、当ブログでは何度
となく書いてきています



最近であれば「集客と失客は隣り合わせ」は参考になると思います。


西野亮廣さん「新・魔法のコンパス」も合わせて読むともっと参考
になります。





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