食べるに困らない
少し古いデータですが、2015年時点で全国の美容室の店舗数は、約
23万店舗。エステティックサロンは、約15万店とのこと。ちなみに
ですが、コンビニ主要10社で5万3000店。比較するものではありま
せんが、いかに美容室が多いかが分かると思います。
以前の記事「美容業界の仕事の変化」でも書いたことなのですが、
本来であれば、美容室で取り組める仕事を“他”にいいように取ら
れている現状があります。
他とは何か?
つまり、エステティックサロンや育毛・発毛専門店です。
エステや育毛・発毛専門店の商品(技術)が、何故、美容室では、
中々発展していかないのでしょうか?
一言でいえば、食べるに困らないから。つまり、危機感が無い。
集客を特に意識しなくても、ある程度、勝手にお客が来店するので、
既存の仕事からなかなか抜け出すことが出来なかったりします。
だから美容室は、わざわざ面倒な事をやろうとは思わないのです。
(苦労しなくてもお客が来店するから)その結果「これだったら大
丈夫」というものを欲しがります。
美容のメーカー、ディーラーの営業マンであれば誰だって分かると
思いますが、美容室は、「他で結果が出てから、自分の所でもヤル」
という考え方を持つ人が殆どなのです。
エステティックサロンや育毛・発毛専門店の商品は“消費者の声”
に耳を傾けたものです。
その消費者が最初に悩み(髪の毛や頭皮等)を相談するのが、意外
にも美容室だったりするのです。
しかし、現実には、これだけ、パーマのニーズが落ち込んでいるに
も関わらず、いまだにパーマにしがみつくのが美容室です。
しつこいようですが、苦労しなくてもお客が来店するからです。
本来ならば、ニーズ(需要)に合った商品展開をしないといけない
のに、自分の好みに合ったものをニーズとして捉えて、商売をやっ
ているのです。
こんな状況で、お店もそこで働く人も伸びるわけがなく、結果とし
て「美容室全体の軒数は増加傾向にあるにも関わらず、全体の総売
上は下がっている」という状況につながるのだと思います。
大好きな美容の技術をするためには、お客が来店し続ける必要があ
るのですが、そこに気づいて行動している人は、果たしてどれだけ
いるのでしょうか?
私としては、かなり疑問です。
パーマのニーズが消えた今では、今まで以上に「集客」と「失客」
の問題を解き続けなければならないのです。
美容室の運営を考えると、「集客」と「失客」は永遠のテーマです。
これには、“これだ”という正解はなく、常に、試行錯誤を積み重
ねてやっていくしかありません。
西野亮廣さんの「新・魔法のコンパス」では、「集客」と「失客」
について説かれてあるので、お店を運営されている方は、絶対に読
むべき一冊です。
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