悪事千里を走る


美容室の王道の集客と言えば「口コミ」だと私は思うのです。だか
らこそ、いかに広告媒体が優れていたりしても、実際に足を運んで
くれたお客をいかに満足させることができるかなのです。どれだけ
集客できたとしても、失客させては何の意味もありませんから。


たとえば、集客手段としてSNSを利用して、美容室側が発信を続け
ることは当然として、その発信にどれかけのリアクションがあるか
どうか。


SNSにおける「拡散」は、言い換えると「口コミ」ともとれます。


集客手段のツールが変わっても、王道の広告(口コミ)は変わらな
いわけです。


従来の口コミと何が変わったかと考えると、それは拡がるスピード
と広さ(エリア)だと思います。

瞬時にして、数百、数千、数万の人たちと情報を共有することが出
来る時代です。


個人が発信できるわけですから、便利な世の中になったものです。


今までももそうでしたし、今後もそうですが、様々なツール自体を
利用するとかしないということではなくて、要は使い方の問題
だと
思うのです。


手段よりも目的をハッキリとさせること。

つまり、お店に足を運んでもらい、いかにお客に満足してもらうか。

どれだけ集客しても失客させては意味がありません

だからこそ、「口コミ」を大事にするのです。



口コミは何も良いことばかりを言ってくれるわけではありません。


「悪事千里を走る」という“ことわざ”もあるように、良い話はし
ないが、少しでも悪い話があればウワサする
ものです



とくに女性の口には注意が必要です(差別ではありませんよ)。


口コミやウワサは意外な所から聞こえてくるものです。


飲み屋に行ったりして、スタッフの方に「どこの美容室に通ってい
るか?」なんて質問をすると、偶然にも私の担当している美容室だ
ったりします。

その時は、ホント根掘り葉掘り聞きまくります。


それ以外にも割と多いなと感じるのが、私の担当している美容室に
通っているお客が失客して、行った先もまた担当している美容室だ
ったりします。

それを自慢気に美容室のオーナーが「○○美容室から流れてきたお
客が来た」と簡単に口にします


個人情報もへったくれもありません。


世間は狭いなんて言いますが、ホントそれ。


実際に足を運んだお客の口から直接お店の意見が聞けるわけですか
ら、これっていうのはまたとないチャンスです。


その意見を紹介すると、技術が直接的に下手くそなんていうのはま
ったくありません。

それよりも多いのが、「言った通りにやってくれない」が多い。

その他で言えば、接客態度と口のききかた。

そして、変なモノ・サービスを勧められた等々。



私自身その美容室をよく知っているわけです。

よく知っているから見えてない部分があるのかと言えばそうではな
くて、ほとんどの意見が「その通り」というものばかりなのです。


意外な意見だなと思うものなどひとつもありません


ハッキリ言ってそうでしょうねと思うものばかりです。



誰ば見てもそう思うだろうと思うことを当事者は中々気づかない。

だからこそ、「聞ける・聴ける」耳が必要なのです。


このブログでは、営業マンでも美容室でも「雰囲気が大切」である
と説いてきました。


美容室で多いのが、アットホームを売りにしているのかなんだか知
りませんが、美容室が家化、または、部屋化していうる店舗が多い。


以前も書きましたが、これを私は「自分ナイズ」と呼んでます


こういうお店は、全く伸びません。


お店の状態に気を配ることは、当たり前なのですが、その当たり前
のことを、当たり前にやれている店舗が少ない
のが現実です。


美容室は、「美容」を販売しています


「美容」を販売する空間に気を配るのは、当たり前。

「今から、この空間(お店)で、私はキレイになるんだ」とお客は
考えます。

それを意識できなかったら、または、意識することを忘れたならば、
お店は、暇になっていくでしょう。


それが、段々と、年数を重ねる内に、感覚がマヒしていく。

そして、どうしてお客が来ないのか、定着しないのかすらも考えな
くなってきて、逆に「私はこんなに頑張っているのに」とお客や周
りを批判を始める
始末。


営業で回っていると、技術云々のまえに「まず、店をキレイにしろ
よ!」と言いたくなることが多々あります。

自分自身が「自分の店にお客で行ったならば?」といことを、想像
すらしない。


客観性の欠片もありません



それどころか、あるものと言えば、「自分は自分は」という主観的
な考えのみ。

自分のお店がお客からどのように見られているかを全く考えていな
いのです。

そんなお店でも構わないという人のみが、お客として残っていき、
お店は衰退の一途を辿っていく。


自分の守備範囲を広げる努力よりも、守備範囲を周りにわかっても
らうことを優先しているお店が、なんと多いことか。


何故こんなことが起きてしまうのか?


これは、技術者だからです。


つまり、お店を「経営」していないからです。


技術者が経営をなんとなくやっていて、とくに何もしなくてもお客
が来店してしまう。

これを異常なことだとは、認識できない。


お客が来店してくれる、または、お店(会社)のお客となってくれ
るのは、当たり前のことではありません。


頭では理解していますが、腹に落ちていません


お店をオープンして10年前後は、新規客が来店します。

ところが、10年を過ぎたくらいから新規客がパッタリと来なくなり
ます。


新規客が来店しなくなり、お店に来店するのは、いつものメンバー。

そうすると、いつしか気配りも忘れて、ナアナアとなっていく。

接客の“雑さ”もそうですが、お店をキレイにしないことも気配り
のなさ
です。


そして、暇になっていく・・・


まずは、当たり前の事が当たり前に出来ているかを確認・意識する
ところからでしょうね。




営業、販売、接客で悩んでいるなら、日本で一番モノを売っていた
であろう髙田明さんの「伝えることから始めよう」を読むことをお
勧めします。




西野亮廣さんの「新・魔法のコンパス」では、「集客」と「失客」
について説かれてあるので、お店を運営されている方は、絶対に読
むべき一冊です。






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