いつもの営業(接客)にならないために
昨日の記事でも書きましたが、これからの美容室の在り方を考えた
場合に、問題は、「どこに“力”を入れるのか」ということになり
ます。その答えは、“営業”に力を入れるべきであると私は提案し
ました。
一口に、営業と言っても漠然としていますので、まずは、“接客”
から見直してみてはどうかということで、書いたのが昨日のブログ
の内容です。
「営業は相手の無意識に入り込む」
ということで、いかに営業が大事であるかを書いています。
本日は、“接客”の部分で、より具体的に私から提案出来ることを
書いてみようと思います。
まず、当ブログでは何度も書いていますが、美容師さんは技術者で
あると同時に営業マンでもあります。
ですから、自分の提供する技術を自分の“口”を使って説明して、
販売しなければなりません。
まずは、「販売こそ仕事である」という認識を持てるかどうか。
その認識を持ったとして話を進めていきます。
認識を持たずに、今回の内容をいくら読んでもまったく意味があり
ませんので。
今回、提案するのは、あくまでもひとつの“形”にすぎません。
ステップ 1 【店内のお客の把握と分析】
このブログで何度か書かせてもらっていますが、物事を進めていく
には、
【把握 ⇒ 判断 ⇒ 決断】
の流れがあります。
接客は、誰でもそれとなくやっていることでしょう。
接客するにも、まずは、「把握」からです。
では、何を把握するのか?
もちろん、来店しているお客についてです。
もしこれを読んでいる方で少しでも販売や営業に携わる人であるな
らば、あなたの顧客についてどれくらいの事を把握していますか?
実際に知っているようで、お客の事なんて知らないものです。
自分の身近な人間でさえ、意外とその人の好きなモノを知らないも
のです。
日頃から、人に限らず様々なモノやサービス、そして情報に関心を
持つべきであるというのは、こういうときに役立ちます。
お客について把握するには、ダイレクトに聞くことがいちばんやり
やすいと思いますが、聞くのがちょっと・・・という人には、アン
ケートをつくったりするのもひとつの手かもしれません。
聞いた事やアンケートから、「お客と情報の共有」をしなければな
りません。
次にくるのが、お客の行動バターンを把握して自分なりに分析する
のです。
とにかく、「お客の情報を得る」ことが最大の課題です。
自分で集めた情報から、その情報を元にして行動出来るようにして
いくわけです。
この部分がかなり重要な所になります。
何故ならば、美容室では、こちらが一方的に用意したものやこちら
の都合良いものをお客に提供しようとします。
ここで、よく美容室から言われることがあって、「だから、変な売
り込みはしないようにしている」「だから、商品の話はしないよう
にしている」というものがあります。
ですが、これも本質的には、同じこと。
つまり、こちらの都合でしかないからです。
お客は、キレイになるために美容室に来店しているわけですから、
お客が欲しがっている“美”に纏わるものは、提供しなければなり
ません。
お客の情報から、欲しがっているものを察知して、さりげなく提供
していけるか。
そして、ここでの最大のポイントは、「いかに失客させないか」に
なります。
ステップ 2 【人の動きの分析(経済分析)】
これは世の中を知るといことです。
来店するのは、既存客だけではありません。新規客もときには、来
店します。
不思議なもので、失客をさせないように必死で取り組めば、紹介が
生まれます。
既存客だけのコミュニケーションだけでは、視野がいつの間にかせ
まくなっていくもの。
だからこそ、新規客が来店するしないではなくて、世の中の動き、
つまり経済には関心を持つ事です。
そこで、経済と言ってしまうと、少し難しいので、「人の流れ」を
掴むことから初めてみるのが良いと思います。
日本には、人口の瘤(コブ)が二つあります。別の言い方では、ボ
リュームゾーン。
・団塊の世代(1947~1949)
・団塊ジュニア世代(1971~1974)
ここに人口が集中しています。2025年問題とは、いわゆる団塊の世
代がすべて75歳以上になるということ。
今度は、「世代別にニーズや心理の把握と分析」を行います。
自分なりの分析で構わないのですが、ここでは、できるだけ主観的
ではなく、客観的に捉えていくことが要。
ポイントとして例を挙げると以下のようになります。
・何を欲しがっているのか?
・何が好き(嫌い)なのか?
・何を探しているのか?
・どういうお金の使い方をしているのか?
・どういったものが流行しているのか?
ステップ 3 【他業種の営業展開の分析】
美容室ばかりではなく、他業種の営業スタイルの研究もできればや
った方がいいでしょう。
・営業時間
・価格設定
・メニュー展開
・Web、SNS
以上の、ステップ1、2、3から営業展開へ移すという流れです。
営業、販売、接客で悩んでいるなら、日本で一番モノを売っていた
であろう髙田明さんの「伝えることから始めよう」を読むことをお
勧めします。
西野亮廣さんの「新・魔法のコンパス」では、「集客」と「失客」
について説かれてあるので、お店を運営されている方は、絶対に読
むべき一冊です。
【関連記事】
「美容室を急成長させた集客の工夫とは?」
「失客させないために何をすべきか」
「お客の目線や立場にどれだけ立てるか?」
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