パーマネントウエーブ用剤生産量
約20年前であれば、美容室向けの新商品といえば、パーマ液が中心
でした。美容室に対するニーズ、つまり、パーマをかける人が今以
上に多かったからです。それが今は、カラー剤やトリートメント剤
が新商品の中心になっています。
約20年前に比べると、美容室でのパーマのニーズは、確実に落ちて
います。
当たり前ですが、同時にパーマ液の出荷量も減っていきました。
美容室のメニューは、カット、カラー、パーマで殆どが成り立って
います。
今では、トリートメントやヘッドスパが加わるかと思います。
美容室が今のように“安売り”が多くなかったときは、パーマ以外
のカット、ヘアカラーは、パーマをするからこそ成り立つメニュー
でした。
パーマにニーズがあるおかで、カットやヘアカラーも同時にお客は、
やっていたもの。
肝心要のパーマをかけなくなると、当然、カットとヘアカラーだけ
になり、美容室では単価が取れなくなっていきます。
「パーマのニーズがあった」と書いていますが、私の雑感でしたあ
りませんが、1990年前後にパーマ比率はピークを向かています。
全国平均でパーマ比率45%位だったと思います。
今では、10%あればいいかもしれません。
最も単価が取れるパーマが消えていけば、美容室の経営は厳しくな
るのは、目に見えています。
「美容室は、パーマというニーズがあまりにもあり過ぎた」のです。
結果として、「自分の頭では何も考えなくなってしまった」と私は
結論付けています。
それを象徴するかのような記事が以下です。
パーマネントウエーブ用剤生産量が1割減
以下引用。
平成30年 薬事工業生産動態統計年報(概要)
平成28年、同29年と2年続けて増加していたパーマネントウエーブ
用剤が平成30年は1割を超えて落ち込んだ。
厚生労働省は2019年8月30日、「平成30年 薬事工業生産動態統計
年報の概要」を公表。
パーマネントウエーブ用剤(第一剤)の生産量は、チオグリコール
酸含有(チオ)、システイン含有(シス)、縮毛矯正剤合わせて
292万8千リットルとなり、前年より35万1千リットル(-10.7%)
減少した。
各ジャンル別の生産量(単位:千リットル)は、チオ1,355(前年比
-56、同率-4.0)、シス712(同-107、-13.1)、縮毛矯正861(同
-188、-17.9)で、縮毛矯正剤が大きく落ち込んだ。
一方、生産金額は48億33百万円で、前年比3億01百万円(-5.9%)
の減だった。
ジャンル別ではチオ19億30百万円(同+1億04百万円、+5.7)、
シス8億77百万円(同-1億44百万円、-14.1)、縮毛矯正剤20億
26百万円(同-2億61百万円、-14.4)だった。
チオ系は生産量は減っているが生産金額が増えているのは価格(金
額)を値上げしたため。
美容サロン業界、パーマ液メーカー団体など美容業界あげて「パー
マ復権運動」に取組み、その成果がでてきたかにみえたが、パーマ
ネントウエーブ用剤の生産データを見る限り、「復権」したとはい
いがたい。
以上引用。
この記事を読んで私は以下のツイートをしました。
「パーマ復権運動」ってどんだけズレてんのかと思います。ヘアースタイルを販売できないから手段であるパーマにしか依存できない。
— arusara (@arusara_jp) September 2, 2019
パーマネントウエーブ用剤生産量が1割減 https://t.co/xua9vGgSMk
『「パーマ復権運動」ってどんだけズレてんのかと思います。ヘア
ースタイルを販売できないから手段であるパーマにしか依存でき
ない。』
「パーマ復権運動」って・・・
美容室の売るべきもの、それは「ヘアースタイル」です。
スタイルのためのパーマなら、まだ理解できるのですが、現実はそ
うはなっていません。
あくまでも、単価をとるためにパーマを流行らせたいだけ。
そもそも、美容室に対するニーズがどこにあるのでしょうか?
それは、「来店するお客」に決まっています。
今までは(実際には今もですが)、美容師のニーズに応えるような
商品ばかりを美容メーカー、ディーラーは販売していました。
パーマのニーズが減少し、低料金化が進む美容業界を考えた時に、
これからは、原点に立ち返り、来店するお客をいかに満足させるか
を考えなければなりません。
美容室は、お客が満足する技術を身に付け、それを売るためには、
何が必要なのかを考えて、実践する。
美容ディーラー、メーカーは、来店するお客に喜ばれる(美容師に
ではなく)美容室をつくり、そのお店が伸びるために、何が必要な
のかを考え、実践する。
美容室に来店するお客を「いかに満足させるか、楽しませるか、キ
レイにするか」が本当の意味で問われる時代だと私は思うのです。
以下の西野亮廣さんの二冊の著書は、お店を運営されている方であ
れば是非読むべきだと思います。
現状、何かで行き詰っていると感じるならば、何らかしらのヒント
があると思います。
「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」
「新・魔法のコンパス」
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