ニーズの掘り起し
理美容業界では、2014年度から売上高は横バイなのですが、2008年
には売上高は2兆3千億台ありました。厳密には、毎年微減を続け
ています。しかしながら、店舗数は増加しており、減少する売上を
増加する店舗数で奪い合っているというのが現状です。
先日の記事「利用客数の低迷が深刻な理美容業」でも取り上げまし
たが、「経営上の問題点」として「顧客数の減少」が多く、「顧客
数の減少」は理美容差サロンの恒常的な問題点とのこと。
この「顧客数の減少」は、一般美容室から、低料金大型チェーン店
にお客が流れている背景があります。
だからこそ、一人当たりが美容室で使うお金の額が確実に少なくな
っています。
だから、店舗数の増加に反比例して売り上げは減少なのです。
ただここで見落としてはいけないのが、「来店サイクル」です。
どれくらいの頻度で美容室に来店するか。
これも以前の記事「年に何回美容室に行く?」で取り上げています。
年間利用回数は4.47回
まあ、少ないですね。二ヵ月に一回も来店しない。
本来ならば、誰だって美容室には毎月通いたいものです。
ところが、現実にはそうはなっていない。
美容室に通う理由は、そもそも「キレイになるため」のはず。
・キレイになりたい
・見られたい
・若くなりたい
といった来店する目的を満たしてあげることが、美容室には求めら
ます。
今後、女性に限って言えば、2人に1人が50歳以上になります。
となると、美容室が意識しなければならないキーワードとして、老
化予防、メンテナンス、若返りでしょう。
そうなると、そのキーワードから美容室で出来る事は何か?
・ヘアカラー白髪染め
・髪が細く、ボリュームダウン、頭皮が透ける
・傷んだ髪の毛の修復(メンテナンス)
といった感じでしょうか。
「そんなのは、もうやっているよ」という声が美容室から聞こえて
きそうです。
ハイその通りです。もう既にやっているのです。
では何故、その技術が出来るにも関わらず、思うようにお客が来店
しないのでしょうか?
これを言うと、ほとんど美容室は、この問いに答えることは出来ま
せん。
出てくる答えと言えば決まって、「だから、より結果が出る技術や
商品が必要なんだ」ばかり。
何を扱うかは問題ではありません。
大事なことは、「何を扱うかよりも、その“何”をどのように売っ
ていくか」なのです。
「来店してくれない」「やってくれない」ではなく、「いかに来店
させるか」「いかにやらせるか」なのです。
つまりは、「営業力の問題」です。
商売とは「モノを売って利益を出すこと」です。
そのモノを売るには営業をしなければなりません。
しかし、ほとんどの美容室が「いいモノをつくってさえいれば、人
は集まってきてモノが売れる」と本気で思い込んでいます。
どんなにいい仕事や技術が出来る能力をもっていたとしても、その
能力を売り込むことが出来なければ、何の価値も生み出せません。
自分を売り込むには、営業力が不可欠なのです。
技術は売ってナンボの世界。
「ヘアカラー白髪染め」「髪が細く、ボリュームダウン、頭皮が透
ける」「傷んだ髪の毛の修復(メンテナンス)」というニーズ。
ニーズを見極め、ニーズを掴むことの方が遥かに意味があります。
お客との接客において、潜在ニーズを顕在ニーズへと掘り起こせる
かが勝負の分かれ道だということ。
美容室は、ニーズも掴めていなければ、ニーズを掘り起こすことも
出来ていません。
逆に言えば、ニーズは最初から存在するのだから、ニーズを掘り起
こすことが出来れば、「来店サイクル」の問題は解決に向かうとい
うことです。
一人一人との接客の中で、「どれだけニーズを掘り起こせるか」と
いうことです。
以下の西野亮廣さんの二冊の著書は、お店を運営されている方であ
れば是非読むべきだと思います。
現状、何かで行き詰っていると感じるならば、何らかしらのヒント
があると思います。
「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」
「新・魔法のコンパス」
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