健康をマネジメントする
「健康をマネジメントする」という本を読みました。この本の著者
である横山啓太郎さんは、東京慈恵会医科大学教授・行動変容外来
診療医長でもあられます。行動変容外来とは、いわゆる生活習慣病
の患者自身が考えた習慣がつづくような情報を提供し、実践と継続
をサポートする。そんな診療スタイルのことです。
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横山啓太郎さん「健康をマネジメントする」
この本は以下のような出だしからスタートします。
「死ねない時代」
これを聞くと、ドキッとするでしょうか?
しかし、これはまぎれもない事実です。
人生100年時代は「死ねない時代」です。
医療の進歩やライフスタイルの変化などによって、私たちは脳卒中
や心筋梗塞などのいわゆる「急性疾患」で命を落とすことは減少し
ました。
助かる人が増えたのです。
一方で、長生きするぶん、別のリスクが大きくなっています。
それが「認知症」と「寝たきり」です。
健康なまま死に至るのは20人に1人といわれています。
80歳以上まで生きた場合、その半数が認知症になるというデータも
あります。
もちろん、人生70年時代にも認知症や寝たきりになる人はいました。
ただ、多くの人はそうなる前に、急性疾患によって人生を終えてい
ました。
長生きすればするほど、急性疾患よりも認知症や寝たきりになる確
率は高くなります。
人生100年時代においては急性疾患を防ぐことも大切ですが、認知
症や寝たきりのリスクを心配する比重がより増えていくのです。
以上引用。
人間誰しも、誰かに迷惑かけることなく「死にたい」と考えるもの
でしょう。
しかしながら、現実は、死をコントロールすることは、実質的には
不可能です。
認知症や寝たきりのリスクをゼロにすることは不可能だとしても、
そのリスクを最大限に減らせることは可能であり、それを裏付ける
医療データも確実に揃ってきているとのこと。
若いうちから意識的に健康に気を配り日常を過ごすことができれば、
それに越したことがないのですが、実際は、仕事に追われ、日常に
追われ、健康について意識することなく過ごしてしまうもの。
意識するとすれば、たまに風邪をひいたときぐらい。
生活習慣病とは、文字通り生活習慣によるものであり、長年、悪い
意味で培ってきた習慣をすぐに変えることなど不可能に近い。
結果、何らかの病気になって痛い目にあったときには、もう手遅れ
の場合もありうる。
とはいえ、病院にかかり、薬を処方されて、医師からは、「運動を
しなさい」「タバコをやめなさい」「お酒を控えなさい」「塩分を
控えなさい」などと言われるだけで、結果、患者は何もせずに、薬
を飲むだけ。
この状況を横山さんは、改善したいと考え「行動変容外来」が誕生
したとのこと。
この本のキーワードはいくつかあるのですが、「老化」と「習慣」
はそれにあたります。
老化は「定点」でなく「プロセス」の結果として起こるもの。
プロセスとは、私たちが毎日おこなっている「習慣」です。
プロセスの結果である老化を遅らせるには、日々の習慣を変えるし
か方法はありません。
老化の延長上に生活習慣病を位置づけ、老化を止めるという考えで
はなく、老化を限りなく遅らせる習慣を身に付けさせることが「行
動変容外来」が目指すべきところのようです。
行動変容外来でおこなうことは、大きく次に3段階に分けれます。
第1段階「マインドを変える」
第2段階「自分を知り、どうありたいかを考える」
第3段階「自分にちょうどいいことを習慣化する」
さて、あくまでも行動変容外来は、ある目的のための手段にすぎま
せん。
目的は、「人生100年時代をいかに幸せに生きるか」です。
この目的にために必要な考え方が本書で登場します。
ご存知の方も多いと思いますが、スティーブン・R・コヴィー博士
による世界的ベストセラー『7つの習慣』(「完訳 7つの習慣
人格主義の回復」)です。
「7つの習慣」のなかの「第3の習慣 最優先事項を優先する」が、
人生100年時代の健康マネジメントには不可欠であると、横山さん
はいいます。
私たちの時間には限りがあります。
その限りある時間のなかで、なにを優先して取り組むべきか。
行動の優先順位を見きわめ、優先順位の高い行動により多くの時間
をさくことが必要となります。
自分自身の人生を充実させ、成功させるには、「緊急でないが重要
なこと」にリソースをさきつづけなければならない。
コヴィー博士は、「緊急でないが重要なこと」の重要性を、以下の
ように説明しています。
『「緊急でないが重要なこと」とは、効果的なパーソナル・マネジ
メントの鍵を握る領域である。
「緊急でないが重要なこと」とは、人間関係を育てる、自分のミ
ッション・ステートメントを書く、長期的な計画を立てる、身体
を鍛える、予防メンテナンスを怠らない、準備する。
こうした活動はやらなければいけないとわかっていても、緊急で
はないから、ついつい後回しにしてしまうことばかりだ。
効果的な生き方のできる人は、これらの活動に時間をかけている
のである。』
人間は、日々の活動を知らず知らずのうちに優先順位をつけて活動
しています。
人間の活動は、「重要度」と「緊急度」で分けることができると言
われています。
緊急度は「すぐに対応を迫られるかどうか」、重要度は「人生の目
的や価値観にとって重要かどうか」を示しています。
健康マネジメントは、まさに「緊急でないが重要なこと」であり、
かつ誰にでもあてはまるものだというのが、横山さんの考えであり、
この本の中で伝えたい事のようです。
私もこれについては全くの同意で、健康マネジメントに限らず、お
店の運営にしろ、営業マンにしろ、生き方にしろ、まさに「緊急で
ないが重要なこと」にいかに取り組むかだと思うのです。
今まさに、体に不調を感じでいるわけではないけれども、将来のこ
とを考えるなら、いまから行動し、「緊急でないが重要なこと」を
継続しなければならないのです。
今回紹介した、横山啓太郎さんの「健康をマネジメントする」以外
にも、健康・医療にまつわる本で、自分が読んでみてお勧めを以下
に紹介します。
堀江貴文さん「健康の結論」
津川友介さん「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
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