メタボ健診のその後
平成20年4月より、40歳以上75歳未満の方に対する「特定健診」
「特定保健指導」の実施が医療保険者(区市町村国保、健保組合
等)に義務付けられました。
人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックお願いします。
平成20年4月から、“高齢者の医療の確保に関する法律”より、医
療保険者は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪型肥満)の早期
発見を目的とした健康診査を行い、健康診査でメタボリックシンド
ローム、あるいはその予備軍とされた人に対して、保険指導の実施
を義務付けられました。
糖尿病、高血圧症、高脂血症などの生活習慣病は、徐々に進行し、
脳卒中や心筋梗塞の原因になるほか、人工透析や失明などの重い合
併症を招きます。
このため、生活習慣病の医療費は国民医療費の3分の1を占め、高
齢化の進展で更に膨らむことが明らかです。
生活習慣病予防のカギとなるのがメタボ健診につながるわけです。
平成20年の実施から10年以上が経過しました。
果たして、その効果はどうだったのでしょうか?
これについて先頃、「世界一シンプルで科学的に証明された究極の
食事」でお馴染みの津川友介先生が、以下のツイートをされました。
Yahoo!個人で連載することになりました。日本のメタボ健診に関する最新の研究結果をご紹介します。
— 津川友介 (@yusuke_tsugawa) December 9, 2019
メタボ健診の健康増進効果はほぼゼロ? 年200億円超もの税金を投入する価値はあるのか(津川友介) - Y!ニュース https://t.co/reLbekx0sF@YahooNewsTopics
このツイートの記事が以下になります。
メタボ健診の健康増進効果はほぼゼロ?
年200億円超もの税金を投入する価値はあるのか
以下引用。
(前略)
医療費抑制には有効か?
最後に、メタボ健診の医療費抑制効果についてはどうだろうか。
実はメタボ健診が医療費抑制に有効かという問題に関して、質の高
いエビデンスは存在していない。
メタボ健診は生活習慣病やその予備軍を早期発見し、介入すること
で、長期的に病気を予防、結果として医療費を抑制することが期待
されている。
そもそも健康増進効果が認められないのであれば、医療費抑制効果
も期待できないと考えるのが自然だろう。
以上のエビデンスから、メタボ健診には健康増進効果はないか、あ
っても限定的であることが明らかになっている。
医療費抑制効果に関しては、エビデンスは存在しないものの、メカ
ニズムから考えるとその可能性は低いと思われる。
メタボ健診は、国民の支払う保険料や税金を通じて、年間500億円
以上が投じられている保険事業である。
さらに厚労省は2020年度から予防医療への取り組みによって、交付
金の額を変える方針を打ち出した。
予防医療の評価の中にはメタボ健診の実施率も入っている。
果たしてこれは正しい政策なのだろうか?
これからも実施率を上げるための努力を続けるべきなのか、メタボ
健診から撤退して、代わりにより健康増進の効果が明らかな制度
(ワクチンやがん検診の充実などの他の医療政策、教育など)に財
源を投じるべきなのか、国民的議論をするタイミングに来ているの
ではないだろうか。
以上引用。
これに対して私は以下のツイート。
「メタボ健診から撤退して、代わりにより健康増進の効果が明らかな制度に財源を投じるべき」だと私は思います。@yusuke_tsugawa
— arusara (@arusara_jp) December 9, 2019
メタボ健診の健康増進効果はほぼゼロ? 年200億円超もの税金を投入する価値はあるのか(津川友介) - Y!ニュース https://t.co/pSDuXpbbnW
『「メタボ健診から撤退して、代わりにより健康増進の効果が明ら
かな制度に財源を投じるべき」だと私は思います。』
健康増進も医療費抑制も共に効果が限定的なようです。
もちろん、75歳以上の人口が65~74歳人口を上回り、更なる医療費
が掛かることも容易に想像できます。
しかしながら、約10年以上前に実施したメタボ健診が有効であるな
らば、最近議論されている75歳以上のいわゆる後期高齢者の医療費
負担増にはならないのではないでしょうか。
流石に、10年も実施しておりそれなりのデータもあるようですから、
メタボ健診をこのまま実施する理由を見つけることの方が難しそう
です。
あくまでも私の持論ですが、このような健康増進や医療費の問題の
本質は、いわゆる“お金”ではないと考えています。
あくまでも、良質の医療体制は、お金を掛ければできるわけではあ
りませんが、そうかといってお金をある程度掛けなければいけませ
ん。
つまり、今後増えるであろう医療・健康に対する需要に対して、良
質の医療体制をいかに供給できるかが、事の本質なのではないでし
ょうか。
お金の問題で中々前へ進めないわが国ですが、明らかに有効性が認
められているモノをあるわけですから、そちらに財源を回した方が
効果的だと思うのですが。
さて、皆さんはどうのように思われますか?
最後に津川先生のお勧め書籍
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
中室牧子さん 津川友介さん
「原因と結果」の経済学―――データから真実を見抜く思考法
人気ブログランキングに参加しています。
応援クリックお願いします。

【関連記事】
「世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事」
「科学リテラシーを上げろ」
「科学的根拠のあることをエビデンス」
コメント