2019年度理美容市場
2019年度の理美容市場の数字が出ました。2兆1,253億円(前年度比
-0.6%)とのこと。理美容業界は、2014年度から売上高(2兆1千億円
台)は、ほぼ横ばい。ちなみに、2008年には売上高は2兆3千億円台あ
りました。横ばいといっても実際は、微減を続けております。
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2019年度理美容市場 2兆1,253億円(前年度比-0.6%)
以下引用。
矢野経済研究所は『2020年版 理美容マーケティング総鑑』を発行。
2019年度の国内理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比
99.4%の2兆1,253億円だった。
このうち理容市場が6,287億円(同99.2%)、美容市場は1兆4,966億
円(同99.5%)で、市場割合は理容3:美容7だった。
国内の理美容市場を調査し、市場規模、都道府県別や施術別の動向、
参入企業動向、将来展望を明らかにするため、毎年発行している。
1.市場概況
理容市場は、個人経営による理容店舗の減少、低価格サロンチェー
ンやファミリーサロンの台頭により、淘汰が進んでいる。美容市場
は高付加価値型サロンと低価格美容サロンチェーンの2極化が引き
続き進んでいる。一方、店舗数の多い中間価格帯のサロンは、確か
な技術や品質にも関わらず他店との差別化や優位性を具現化するこ
とが難しくなっている。美容市場全体では、来店客数や頻度(来店
サイクル)の低下が影響したことで微減となった。
2.注目トピック
/消費増税が実施、駆け込み・反動減も総じて影響は軽微に
2019年10月に消費税増税が実施され、サロンチェーン経営企業では
増税分だけではなく施術価格の改訂や値上げに踏み切る動きも目立
っている。また、2019年初頭から春先に、増税実施に前倒しして、
価格改訂、値上げに踏み切ったサロンも少なくない。
これらの増税と関連した価格改訂に伴う来店客数減の影響について
は、想定の範囲内と受け止める企業や、来店客数への影響は軽微で
あり、客単価の向上につながっているとする企業も存在する。
一方で、価格改訂による来店頻度の長期化や、他店への一時的な切
り替えなどもみられているが、総じて業績に大きな影響は与えてお
らず、提供するサービス品質向上により集客力を高めていくという
企業が多い。
3.将来展望
2020年度の理美容市場規模は事業者売上高ベースで、前年度比
99.1%の2兆1,052億円、このうち、理容市場は6,232億円(前年度比
99.1%)、美容市場は1兆4,820億円(同99.0%)を予測する。
消費増税については、物販・サービスにおける理美容化粧品市場は
駆け込み需要と反動減がみられたがマイナスの影響は生じていない
ものの、個人経営による理容店舗や中間価格帯のサロンなどを中心
として、今後、来店サイクル(頻度)の長期化や他店への切り替え
などの影響を受ける可能性が高い。
また、新型コロナウイルス感染拡大による外出自粛により、理美容
業界への影響も避けられない状況にあり、可能な限り早期の事態収
束が望まれる。(後略)
以上引用。
これに対して私は以下のツイートをしました。
増加する店舗数で減少するパイの奪い合いが続く。消費税増税と新型コロナウイルスの影響をもろに受ける2020年が早くも気になる。#美容室
— arusara (@arusara_jp) April 23, 2020
2019年度理美容市場 2兆1,253億円(前年度比-0.6%)https://t.co/cx95rQYg3L
『増加する店舗数で減少するパイの奪い合いが続く。消費税増税と
新型コロナウイルスの影響をもろに受ける2020年が早くも気にな
る。』
昨年、美容室の全国の店舗数が25万軒を超えました。
もういつからかは忘れましたが、年々増加しています。
しかし、それに反比例して総売上は減少傾向です。
美容の技術単価が下がっているといってしまえばそれまでですが、
やはり2008年頃から登場したヘアカラー専門店により、技術の安売
りが完全に流行化してしまいました。
所詮は、どこの美容室に行ってもそれほど技術の差を感じない。
同じ技術(商品)であれば、価格の安いところへお客は流れていき
ます。
美容室側が、どれだけ技術の質の高さや使用している薬品のクオリ
ティーを謳っても、お客の心には響きません。
全国に25万軒も存在する美容室です。
シンプルに考えて、需要と供給のバランスが悪すぎます。
どう考えても、供給過剰です。
お客側からすると技術の質にしても薬品のクオリティーにしても、
それが高いのは当たり前です。
世の中のニーズとしては、美容の技術や薬品の質の向上を求めてお
らず、もっと別のところにニーズがあるはずです。
記事中に『店舗数の多い中間価格帯のサロンは、確かな技術や品質
にも関わらず他店との差別化や優位性を具現化することが難しくな
っている。』とありました。
これの意味するところは何でしょうか?
前提条件が既に間違っていることに気づくべきなのですが、そこに
気づいておりません。
つまり、「技術の質を高めれば売れる」と思い込んでいるのです。
これって日本にありがちな考え方だと思います。
かつて日本の携帯電話がガラパゴス化していると言われていました。
日本独自の進化を遂げて高性能の携帯電話であると。
しかし、それがiPhoneの登場で一瞬で駆逐されてしまいます。
iPhoneが目指したのは高性能とかではなくて、あくまでもお客が欲
しいものだったということでしょう。
iPhoneが登場してiPhoneよりもいくら高性能を謳っても誰も見向く
もしなくなりました。
実際にiPhoneよりも優れているスマートフォンはあるでしょう。
しかし、現実にお客が選んだのは紛れもなくiPhoneなのです。
お客が欲しがっているものを提供できるかどうか。
つまり、質ではなくお客にとって価値あるものを提供できるかどう
かが今の美容室には求められているのです。
従来の美容室の在り方では、技術の安売りという土俵で戦うしかあ
りません。
美容の技術の質の向上という問題ではなく、美容室自体の在り方を
見直し、美容室全体としてお客に何を提供できるのか。
そして、何を価値として訴えていけるのかに取り組まなければ、過
当競争に巻き込まれ、とくに個人経営美容室は淘汰されていくこと
でしょう。
いつも書いているように、美容室は今後「どのような形でお店を打
ち出していくか」を激しく問われているのです。
問題は、“いつ”そこに気づけるかどうかなのです。
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