ブレーキを外す
昨日、今年のノーベル医学生理学賞に京都大高等研究院の本庶佑特別教授と
米テキサス大のジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表しました。
本庶先生、おめでとうございます!
今回の受賞ですが、多少なりとも知り得る言葉がありましたので、
少しは、理解することはできましたが・・・
医学生理学賞に本庶佑氏 京大特別教授
https://mainichi.jp/articles/20181002/k00/00m/040/030000c
スウェーデンのカロリンスカ研究所は1日、2018年のノーベル医学生理学賞を
京都大高等研究院の本庶佑(ほんじょ・たすく)特別教授(76)と米テキサス大の
ジェームズ・アリソン教授の2氏に授与すると発表した。本庶氏は免疫の働きに
ブレーキをかけるたんぱく質「PD-1」を発見し、このブレーキを取り除くことで
がん細胞を攻撃する新しいタイプの「がん免疫療法」の開発に結びつけた功績が評価された
(後略)
更に、私が、印象に残ったのが下記の記事です。
抜粋部分ですみませんが・・・
ノーベル賞・本庶佑氏と小野薬品「がん薬物治療革命」までの苦闘15年
https://diamond.jp/articles/-/181088
(前略)私は免疫の専門家であり、がんの専門家ではありません。免疫の専門とがんの専門の間に
「がん免疫」がある。
がんの専門家は、がん免疫の世界の人たちが、効く効くと何十年も言い続けて研究費を
得てきたのに、科学的に説得力のあるデータを出せてこなかったことに不信感を抱き、
免疫に手を出さなかった。
私は免疫の専門家として研究を続け、マウスでこれだけ効けば原理的に人にも効くはず
だと考えました。一方で、がん免疫の研究者たちは、免疫のアクセルを踏むことを
一生懸命やってきました。私たちはこの世界にも染まっていなかったから、
免疫にかかったブレーキを外すという新しいアプローチを取れた。
パーキングブレーキをかけたままでアクセルを踏んでも駄目だったんです。
あまり物事を知り過ぎるとジャンプができない、ということなんでしょうね。(後略)
”常識を疑え”という言葉がありますが、これがまさにそうでしょう。
研究者というものは、好奇心の塊のような存在です。
人間は、誰しもその好奇心を持っているとは思いますが、いつしか段々とその、
好奇心とやらを無くしていく。
自分自身に言い訳をしていく。
これは、研究者のみならず、人として大事なことを教わったと思います。
様々な自己啓発書、所謂、やる気出る出る本ですが、
ここでは、心のアクセルの踏み方ばかり教える。
ところが、実際は、アクセルと同時に、人間は、心のブレーキを、
目一杯踏んでいる。そのブレーキを外さないと前には進まないのです。
自分自身が、その心のブレーキを踏んでいることに気づかなれば、
どんなことを、教わったりしても、全て無駄になると、私は考えます。
とにもかくにも、受賞、おめでとうございます!