自己検証・自己嫌悪・自己否定
随分と偉そうに聞こえるかもしれませんが、美容室向けに勉強会な
んてやっていると教わることだけに満足しきっている方が少なくあ
りません。もちろん教わることは非常に大切であることを承知の上
であえて言わせてもらうと、「何を教わるか」ではなく「教わった
ことをいかに実践するか」を分かった上で教わる必要があります。
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単に頭が良くなっただけでお店の運営が上手くいくなら誰も苦労し
ないと思います。
それこそ高学歴の方々が社会に出て所謂成功しているかというと、
そうとも言い切れない部分が少なからずあります。
自分が知らない知識を吸収することは、大事に決まっています。
しかし、どれだけ知識を吸収しようと色んな事を教わったとしても、
それを実際に使わなければ全く意味がありません。
美容室向けの勉強会をやらせてもらっているのですが、その中で非
常に厄介に感じることがあります。
それは、解かった“つもり”になることです。
解かったつもりも解らない解かろうとしないも実は同じ意味なので
すが、つもりになっているだけで、理念・観念であり、現場で全く
教わったことが活かされていない。
冷静に考えれば、自分のお店の状況が好転していなければ、本来は
何かしらの問題点があるわけですから改善しなければなりません。
しかし、解かったつもりは、やっているつもりですから、改善する
はずもありません。
それどころか、「これだけやっているのに上手くいかない」などと
言い出す始末。
まさに始末に負えません。
つまり、自分を見返る、反省することを全くやろうとしません。
当たり前ですよね、“つもり”なんですから。
このような心の状態では何を教わったとしても未来永劫そのお店が
伸びることはないだろうなと思います。
どんなに素晴らしい内容を教わったとしても実践しなければ意味が
ありません。
美容室を取り巻く状況は、確かに厳しいものがあるのは事実です。
それでも全ての店舗が厳しいのかというとそうではなくて、中には
上手くいっている店舗もあります。
確かに店舗で諸条件は異なるかもしれませんが、普通に考えてみて
前例として上手くいっている店舗があるのですから、何故上手くい
っているのかを研究すればいいだけの話です。
しかし、その時に多くの人間は、「あそこの店舗は○○だから」と
か「あのオーナーは、頭がいいから」「場所がいいから」と言い訳
ばかりして真似することも研究することもしません。
現状、何故美容室が厳しいのかというとシンプルに固定客が少ない
からです。
固定客も少なく、そして来店サイクルの長期化が起こっている。
ちなみに、上手くいっていない店舗の多くは、こういった問題点の
抽出作業も出来ていなかったりします。
大事なことは、何が問題であって、何が重要であって、ということ
を導きだせているかどうかなのです。
話を元に戻すと、その問題点に対する私が考える対処法は、失客が
起こる原因と来店サイクルが長期化する原因を洗い出した上で、集
客と来店サイクルの短期化に努めるだけです。
ところが多くは、固定客から言葉は悪いですがカネを巻き上げるこ
としか考えていませんので、新しいメニューを用意して単価アップ
をしようとします。
しかも残念なのが、新規客には無料で提供して固定客からはしっか
りとお金を取ります。
先程、問題点の抽出作業すらしないと書きましたが、結局そこに大
部分の問題があると思うのです。
つまり、今までのお店の運営の在り方が通用しなくなっているにも
関わらず、何も見返ることなく反省することなく、表面的なやり方
を変えるだけでどうしてお店が良くなるというのでしょうか?
見城徹さんの「読書という荒野」は読まれたことがあるでしょうか。
この本の中で、『「自己検証、自己嫌悪、自己否定」この三つがな
ければ人間は進歩しない』と書かれていてホントその通りだなと腑
に落ち過ぎました。
店舗運営が上手くいかなくなるのは、そこで働く人間の成長・進歩
がストップしているからです。
ならば自身を成長・進歩させるために何かに取り組まなければなり
ません。
多くの人間が形ばかりを追い求めて中身を改善しようとしません。
形とは技術メニューや運営ノウハウといったものです。
形を提供する中身の人間がそのままの状態でいくら形を変えても上
手くいくはずがありません。
中身の改善とは、まさしく「自己検証、自己嫌悪、自己否定」なの
です。
私自身もそうですが、営業成績や顧客状況を数字で出すと逃げ出し
たくなります。
しかし、その数字から目を背けていては、やっているつもりになる
だけですし、自分を慰めるだけです。
逃げ出したくなるような数字に向き合ってこそ本当の意味で色んな
モノ・コトを吸収し使っていこうと思えます。
最後に以前も紹介した「学問のすすめ」より以下をどうぞ。
以下引用
およそ世の中の物事は、進歩しない者は必ず退歩する。
退歩しない者は、必ず進歩する。
進歩も退歩もなく、そのままのところに留まる者はありえないのが
理屈である。
いま日本のようすを見ると、形としての文明は進歩しているように
見えるけれども、文明の精神である人民の気概は、日に日に退歩し
ている。
以上引用。
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