物を売るバカにならない7つのヒント


過去の二つのエントリー「えがお美容室を考察してみた」「ダイバ
ーシティ美容室を考察してみた
」では、私自身が、昨年から美容室
の「運営の在り方」を再定義することが大切であると説いてきた事
の具体例として取り上げてみました。

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今回は、川上徹也さんの「物を売るバカ2」より、美容室ではなく
理容室の取り組みが紹介されていましたので取り上げてみたいと思
います。





以下引用。


「日本一出世するビジネスマンが多い理容室」を掲げ大繁盛


あなたが理容店の店主だと想像してみてください。お客さんにもっ
と来てもらいたいと思ったらまず何を考えますか?

散髪の技術?
価格?
ホスピタリティ?

ほとんどの理容店は、今あげたようなポイントを訴求しています。
それだと「サービスの内容」だけを売る「物を売るバカ」状態にな
ってしまう店がほとんどでしょう。

そんな中、「日本一出世するビジネスマンが多い理容室」という旗
印を掲げることで驚異のリピート率を誇る店があります。

それが「りよう室ザンギリ」です。ザンギリは東京都新宿区西新宿
のオフィスビルの地下にあるバーバーチェア7席の小さな店です。

同店二代目を継いだ大平法正さんは、利用組合のコンペでグランド
チャンピオンになるほどの「技術」を持っていましたが、お客さん
はずっと減り続けていました。

そもそも理容業界自体がじり貧で廃業する店も増えています。低料
金のチェーン店が増える一方、美容室に行く男性が増えているから
です。

そんな状況下で、大平さんは「理容の定義」を徹底的に見直すこと
から始めました。そして自らの店のウリを「ビジネスマンのパワー
スポット」と定義し直すことを思いついたのです。

そう定義することで、新しいサービスが次々と生まれました。たと
えば、「眼鏡の洗浄」「名刺スキャン」「携帯充電」などは「出世
する人たちのおもてなし」として無料サービスされています。また
レギュラーカットに加えて、いろいろな有料の「運気アップオプシ
ョンサービス」があります。たとえばフェイシャル・耳掃除などを
組み合わせて「課長街道コース」「部長街道コース」「社長街道コ
ース」「会長街道コース」という名前で提供しているのです。

これらのオプションサービスの購入率は8割を超えるといいます。
もちろんサービス内容がすぐれていることは大前提ですが、ビジネ
スマンの琴線にふれるネーミングであることも購入率を上げている
大きな要因でしょう。他にも「運気があがる」いろいろな細かいサ
ービスを実施しています。

こうしてザンギリは、一般的な理容室としては高額な客単価6000円
を実現しながら、月1000人のお客さんが来店する大繁盛店になりま
した。リピート率は9割以上だといいます。

その一方、各理容師の指名制度はあえて設けず、店の顧客として全
員でもてなすことをモットーにしています。もちろん理容において
「技術」は重要な要素です。ザンギリの理容師たちも「技術」を高
めるために日々努力しているはずです。しかしそこは当たり前のこ
ととしてあえて前面に出していません。

言い換えると、ザンギリは、「技術」「価格」という「理性」の土
俵で勝負せず、「運気」「出世」という「感情を揺さぶる土俵」で
勝負していると言えるでしょう。そのおかげで、数多くのファンが
つき、圧倒的なリピート率を誇るのです。


以上引用。



川上徹也さんの「物を売るバカ2」では、勘定の土俵ではなく、
客の感情を揺さぶる土俵
で勝負するべきである
、と説かれています。

この本は、感情を揺さぶる売り方の事例を集めたもので、営業マン
である私としては非常に参考になりました。

ちなみに、川上さんのいうところの「物を売るバカ」とは、決して
「物を売る人」をバカにしたものではなく、「頑張って商品やサー
ビスを売ろうとすればするほど売れなくなってしまうもったいない
状態」のことを言いあらわしたものです。


そこで、「物を売るバカ」状態に陥らないために「エモ売り7」を
実践すること提案しています。


「エモ売り7」(感情を揺さぶる7つの売り方)

 ①「体験(Experience)」を売る
 ②「心動く(Moved)」を売る
 ③「世界観(Outlook on the world)」を売る
 ④「共創・協創(Together)」を売る
 ⑤「インスタ映え(Instagenic)」を売る
 ⑥「ここにしかない(Only one)」を売る
 ⑦「懐かしい(Nostalgia)」を売る



この本の初版発行は、2018年10月10日です。約2年前。

コロナ騒動の前からモノ・サービスを売る人にとっては、ずっと課
題であったわけです。

モノ・サービスの売り方は、時代とともに変化しています。

私自身も昨年から美容室の在り方を再定義するべきである、とは書
いていたものの、そんな事はもっと前から分かっていたことでした。


1000円カットやヘアカラー専門店が登場したときには、自分達の技
術を切り売りするやり方をやってしまったのですから、それ相応の
反動が来ることは分かりきったことでした



そして、今年に入ってからのコロナ禍です。


あくまでもコロナは、今までも存在していた美容室の問題点を更に
明確に炙り出してくれた
だけなのです


今回取り上げた理容室も当然コロナの影響を受けたと想像できます
が、他の理容室とは雲泥の差で、軽症で済んだのではないかと思う
のです。

何故なら、お客にとっては既に「わざわざ行く価値のある店舗」
なっていたのではないでしょうか?


「コロナになってから流れが変わった」という表現が、適切な場合
とそうでない場合があります。


美容室は、コロナ云々ではなく既に厳しい状況にありました。


美容室は、もはや、ただ出店すればいいだけの時代はとっくに終了
しました。

しかも、いくら「(美容室が)うちの技術力は高い」といっても、
その技術自体に最も大切な希少性という「価値」が存在していない
ので、技術の質を売りにしても、差別化には繋がりません


これからは、技術の「質」の勝負ではなく、お店自体の「価値」の
勝負
なのです。

冒頭にも書きましたが、私は昨年から美容室の「運営の在り方」を
再定義することが大切であると説いてきました。


運営の在り方で考えるべきは、以下の3つ。


 コミュニケーション

 ・コミュニティ

 ・ブランド(来店理由をつくる)



どれ一つ欠けることなく重要な要素であり、その3つが融合した部
分こそが「美容室の運営」に他なりません







「コミュニティとは?コミュニティの作り方とは?」

「モノが売れない時代はコミュニティでモノを売る?」

「まだ誰も知らないファンコミュニティの作り方」


こんな疑問を持たれたならば以下の三冊は必読です!


佐渡島庸平さん「WE ARE LONELY, BUT NOT ALONE. 」




前田裕二さん「人生の勝算」




西野亮廣さん「革命のファンファーレ 現代のお金と広告」





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